履歴書の職歴の欄は、何行必要ですか? 中小企業の人材

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 中小企業というと、どのような企業を想像するかは人により異なると思いますが、純粋に定義だけを見ていけば(企業数)、日本の99%が中小企業です。ですから、中小企業=企業全般といっても過言ではありません。それ故に、中小企業の何々をやりますというのは、ほとんど何をやるのか決まっていないとも言えるのです。

 一方、「大企業ではない」という意味において、中小企業を見ていこうとすると、異なっている点はいくつかあります。今日はその中のひとつをご紹介します。それは、就職や就職活動の際には必ず書く「履歴書」についてです。

 履歴書には、氏名、住所、学歴、職歴、保有資格等を記載する欄があります。その中の「職歴」については、過去の仕事歴を書く欄です。
 
 新卒の際であれば、

 職歴
 なし

 で終わりです。

 しかし、ある会社の人事の方に言われたのは、「うちの会社にいる人材はさ、職歴の欄が何行にもなるわけだよ。人によっては、職歴の欄が足りなくてはみ出しているんだ」というのです。

 転職1回に1行必要になるわけですから、転職の回数が増えれば増えるほどに行数が増えていきます。終身雇用であれば、1行も必要ない人もいます(新卒で就職後、退職まで勤め上げる)。一方、非正規雇用で短期間契約で働いていれば、それだけ書く行数が増えていくわけです。
 
 もちろん、職歴を書く行数が少ないほど良いと言っている訳ではありません。逆にそういう会社の利益率が大企業を上回っていたりするのです。ものすごいニッチな分野で独自な地位を築いていたりするのです。それも、人材の競争力による部分が大きかったりするのです。

 しかし、世の中では、いまだに「終身雇用」的な話もありますし、さすがにそこまでで無くても「期間の定めのない雇用=正社員」をベースとしたものがほとんどです。さらに、転職についても、1回ないし2回程度を想定しているのではないかと思うのです。そのため、人事制度も、人材育成の手法もこうした人材像をベースにしたものになっているのだと思います。

 たとえば、データをきちんと調べた訳ではありませんが、新卒採用を行っている企業というのは、マスではないでしょう。 OJT担当を決めている企業はどうでしょうか。Off-JTが整備されている所は? 等々、色々違いがあるのだと思います。

 その当たりについては、現在フィールドワーク中ですので、いずれの日に論文等の形で発表できるかと思いますが、何らかの違いがあるのではないかと思っています。やるしかないのです。

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この記事を書いた人

産業能率大学情報マネジメント学部 准教授 橋本諭(はしもと さとし)。
研究テーマは、ソーシャルビジネス、人材育成を扱っています。

橋本 諭

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