2025年9月8日に経営学習研究所(以下:MALL)のワークショップ「「届いてますか?その施策」若手社員と学生と考える新卒オンボーディングについて」に学生スタッフとして参加させていただきました。
プログラムは、株式会社アル―社から近年の新卒の強みと弱み、新卒とAIについての話を聞き、その後に新卒と学生の意見をもとに「新卒へのオンボーディング」についてグループディスカッションをするという2時間ではとても足りないくらい盛り上がるものでした。今回のブログでは当日の様子をもとにオンボーディングの重要性と現実や株式会社アル―による新卒に関する考察、参加した私が感じたことについて書いていきます!
目次
1:オンボーディングの重要性と参加者の声
そもそもオンボーディングとは新入社員(新卒・中途問わず)が早期に組織に順応し、一人前の戦力になるまでの一連の受け入れプロセスや支援施策のことです。具体的に言うと研修や交流会、社内イベント、OJTなどが挙げられます。
また、このオンボーディングは組織の一員として早期に活躍してもらうだけでなく、人材不足の我が国において新入社員を獲得したのに早期に離職してしまうことを防ぐために重要視されてきています。その一方で、実際には新卒へオンボーディングが「届いていない」のではないかと多くの参加者の声がよく上がっていました。
2:株式会社アル―による「新卒の強み・弱み。そしてAI」
株式会社アル―(以下:アル―)は主に人材育成や社員研修の企画・運営を行う会社で様々な企業のオンボーディングを手掛けている会社です。まさにオンボーディングのプロフェッショナルであるアル―によると26年度新入社員の傾向(強み・弱み)は以下のように考察しています。
強み
・高い学習意欲と成長志向:自分の関心やキャリアのためなら自律的に学ぶ
・指示下での高い実行力:明確な指示に対しては実行力が非常に高い
・AIネイティブ:情報検索に加え、生成が当たり前の世代
弱み
・無難・平均思考:トップに行くのは嫌だ、でもボトムに行くのも嫌なため平均に行こうとする志向で、主体性が低い
・指示依存の実行力:自律的な思考や応用力に課題
・テキスト中心のコミュニケーション:Slack等のツールなどにより対面での関係構築や振る舞いに課題
またアル―はこのような傾向が表れる理由を「生成AIの日常化」だと語っていて、これにより業務高速化などのメリットもある一方で思考停止リスクや非効率を徹底回避するなどのデメリットがあると考えていました。そのような26卒社員に対してはAIの使い方(How)の前にその土台となる目的志向(Why)を大切にすべきだと語っており、これにより弱みで挙げた「応用力」を改善することが出来ると話していました。
3:参加した感想
以上の内容の後にグループディスカッションを行ったのですが話が尽きませんでした(笑)。
「どんなオンボーディングしていますか?」「それに対して(新卒は)どんな反応でした?」など様々な会話が広がっていきました。
私が学生側として参加して感じたことは企業側が新卒に対して真剣に向き合おうとしてくれていることでした。その一方で、生成AIの進化や若手の傾向を掴めずにオンボーディングが「届いていない」というギャップや現状があることも理解できました。
そして私の考えとしてはオンボーディングだけではこのギャップは改善できないのではないかと考えます。しかし、このギャップを埋めていくためにもオンボーディングは大きな1歩になることは間違いありません。
最後となりましたが、このような貴重な機会を設けていただいた経営学習研究所の皆様、参加者の皆様。本当にありがとうございました。お読みいただきありがとうございました!
執筆:橋本ゼミ12期 小林航平