ソーシャルビジネスと働くこと、ソーシャルビジネスで働くこと@2030年を考えるゼミ

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 昨日、本学の夜活講座として行っている「2030年の日本を考えるゼミ2 「社会課題を解決するビジネスが日本を変える」」が終わりました。月曜日の夜にも関わらず、意欲的な方々に集まっていただき、面白い会になりました。

ゼミ概要

 この講座は、ゼミのようなリラックスした雰囲気の中で、夜のひととき2030年という少し先の未来について考えようというものです。今回のテーマは、ソーシャルビジネスです。

 ソーシャルビジネスは、「社会課題をビジネスによって解決を目指す取り組み」とされています。当初は、ビジネスの世界の力をどう社会課題解決に活かすのかが論点だったと思います。今でもその点は変わってはいませんが、加えて、ソーシャルビジネスで培われたことがビジネスの世界に還元されて来ているように思います。

 今後のソーシャルビジネスの動向などを元に、会社に対して、また個人に対してどう影響を与えるのか?を考えることにしました。

ソーシャルビジネス「と」働くこと

 まず、一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワークの専務理事・事務局長の町野 弘明様に、「ソーシャルビジネス「と」働くこと」と題して、ソーシャルビジネスの動向や、コラボレーションの事例についてご講演いただきました。

ある企業とNPOとのコラボレーションの流れなどが「こういう経緯だったのかあ」と、強く印象に残りました。

ソーシャルビジネス「で」働くこと

 次に、大手広告会社で働きながら一般社団法人 Work Design Lab理事などの複数の組織で働く「複業実践家」の倉増 京平様に「ソーシャルビジネス「で」働くこと」についてご講演いただきました。

 倉増さんからは、体験に基づき、「実際に」どう複業を実現しているのか、特にビジネスの経験をソーシャルビジネスにどう活かすかをお話しいただきました。組織人であれば誰もが経験しているある行動を止める、というお話があり、「止める」なんて一瞬たりとも考えなかったことであったのですが、よく聞いてみると大変に合理的だと思いました。

ソーシャルビジネスからもたらされること

 お二人のお話を伺いソーシャルビジネスからビジネスの世界にもたらされることとして、2つの事を感じました。

 一つは、新たなコラボレーション(オープンイノベーション)。もう一つは、新たな働き方です。

 ソーシャルビジネスが媒介するこれまでにはない企業とのコラボレーションや、ある事業に必要な人を集めてくるやり方などは、これまでのビジネスのやり方にはなかった方法であると思いました。

 ソーシャルビジネスにおける様々な働き方(倉増さんの「複業」やプロボノ、短時間勤務等々)は、今「働き方改革」で語られている内容の一つ先のようなものがすでに実現しているように思いました。
  
 これらの動向には今後も注目していきたいと思っています。

「実はね」の魅力

 また、お二人のお話からは「実はね、」とか「実のところ」に続く内容にこそ本当の価値があるということです。

 「〇〇」という話があったんですが、実はね、△△という話だったんです。
 「〇〇」は、実のところ、△△という風にやりました。

 一般的な知識に加えて、経験した人だからこそ話せる話がある。そして、その内容にこそ高い価値があると思いました。

 当たり前といえば当たり前です。
 ですが、すぐに動画を見ることができたり間接的な経験がリッチになっている中、ともすれば間接的な経験だけでも経験した気にもなってしまいます。しかし、間接経験の豊富さは、さらに直接経験を芳醇なものにしているように思います。故に、直接経験がより価値が出ているのではないでしょうか。

 

終わりに

 本講座ですが、少人数でリラックスしたゼミが少しずつできるようになってきたかなと思います。今年度は後2回実施予定です。次回は11月5日。地方創生がテーマです。詳細もう少しで公開になりますので、ご興味お持ちの方はスケジュールをおさえていただけますと幸いです。

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この記事を書いた人

産業能率大学情報マネジメント学部 准教授 橋本諭(はしもと さとし)。
研究テーマは、ソーシャルビジネス、人材育成を扱っています。

橋本 諭

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