【SDGsワークショップ】 困っている人×自分=? 自分ができることはどんなことでしょう

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はじめに

こんにちは。6期の織田法彦です。
先日瑞木祭が行われ、私はSDGs(エス・ディー・ジーズ)持続可能な開発目標について身近に感じてもらうことを目的にワークショップを行いました。

今回は瑞木祭で私たちが行ったゲーム感覚のワークショップがどんなものなのか説明していきます。

SDGSってなんでしょう

そもそも、SDGSとは具体的には何か。持続可能な開発目標とはどんな目標なのか。
今の段階では『何となく』でいいので、大まかなイメージを持って頂きたいと思っています。

このように17個の目標があり、それぞれ異なった問題に対する目標となっています。

目標は異なっていますが、それぞれ共通する問題点もあります。典型的なものでは、目標13『気候変動に具体的な対策を』と目標15『陸の豊かさを守ろう』は環境問題に対する目標となっています。

ワークショップ概要

このワークショップは3~4人でSDGsの各テーマに対して解決策を考えるというものです。
2枚のカードを用いて、話し合いに制限を設定しています。

1枚目のカードにはSDGs1~17の各テーマにおいて関係した問題を抱えている人が書いてあります。

例えばテーマ1の『貧困をなくそう』であれば『貯金がない20代シングルマザーとその子供』といったカードとなっています。テーマ1『貧困をなくそう』は現状どんな問題があり、その問題で困っている人とは具体的にどんな状況にある人なのかを表しています。

2枚目のカードでは日常で普段見かける人が書かれています。今回私たちが考えた人物は『女子高生』や『小学生』、『お笑い芸人』、『大道芸人』などです。

このワークショップは、1枚目のカードにより具体的に困っている人をイメージしてもらい、2枚めのカードに出てきた人であればどんな解決策が考えられるか、を話し合うというものです。

今回は、内容を説明するにあたり、イメージをより具体的にするために2枚目のカードの登場人物を女子高生に例えて説明させていただきます。

2枚のカードとは

2枚のカードの特徴について説明します。

1枚目のカードをこのゲームでは主題1と呼んでおり、主題1には困っている人が書かれています。

例えば目標1の『貧困をなくそう』であれば『貧困』という言葉で皆さんがイメージするものが何かしらあると思います。私自身最初にイメージしたことは『お金がない』『食糧がない』『家がない』など単純なイメージばかりでした。

今回は、最終的に自分たちなりの解決案を考えてもらうという狙いがあるため、SDGsが掲げている問題により、困っている人とはどんな状況で、どんな背景で、どんなことが原因で問題を抱えるまでに至ったのかを考えて、主題1の困っている人をより具体的にしました。

そして、2枚目のカードを主題2と呼んでいます。主題2のカードにも人物が書いてあります

今回のゲームでは人と人が掛け合わさって何かをする、というコンセプトがあり、困っている人は同じでも助ける人(登場人物)が変わることで様々な解決案が出てくると思いました。

人によって特徴は異なり、社会的な認識や役割も変わります。『交わることのないような二人が交わった時、いったいどんなことが出来るか』という思いで、主題2のカードは誰もが知っていて、日常に現れる登場人物にしました。

ゲーム内容

①席に座って資料を見てもらう

まず始めにSDGSの資料を軽く見ていただきます。資料を見てもらいながらお客様にSDGSの軽い説明をして、ウォーミングアップしてもらいます。

私たちが瑞木祭を行った時は、このゲームに来る前にSDGSのポスターなどが置いてあるブースがあり、そこで『SDGSとはどんなものか』『17個の目標には何があるのか』などをお客様が予習している状態にありました。

②ゲームの一連の流れを説明

上記の①から⑧までの流れを説明します。この時に先ほどの資料を見てもらいつつ、説明に耳を傾けてもらう程度にしておけば、SDGsの内容が少し頭にインプットされ、この後のディスカッションが内容濃くなったと感じます。

③主題1のカードを1人1枚ランダムで引いてもらう

1人1枚主題1のカード(SDGSの各目標に対する問題で困っている人)を引いてもらいます。引いたらほかのメンバーが見えるところにカードを置きます。


 (主題1のカード一例)

④引いた主題1のカードがSDGsの目標のうち、どの目標に当てはまるかグループで考えてもらう

それぞれのメンバーが引いたカードがどの目標に当てはまるかを考えてもらいます。

なお、今回のゲームではSDGSの目標17『パートナーシップで目標を達成しよう』は解決案を考えるとなると規模が大きく制限が難しいため、今回は選考の対象外となっています。

人それぞれ問題の捉え方は異なります。ほかの人の問題に対する捉え方を共有することで、自分が考えつかないような問題意識が生まれてきます。

例として、先ほど主題1の写真で使用した『階段が多い町のご高齢者』ではどの目標に当てはまるでしょうか。本記事の冒頭部分にSDGS17個の目標があるので、そちらを少し覗いてみてください。

まず、1つのカードにつき1つの目標ではなく、SDGSは各目標の問題が繋がっている部分もあると感じてもらうために関係していると思う目標は2つでも3つでもいくつでも構いません。複数の目標があがった場合はその後の段階で1つに絞ってもらうことになりますが、この段階では複数で考えていただきます。

⑤主題2と掛けあわせる主題1のカードを1枚選んでもらう

主題2の登場人物と主題1の困っている人を掛け合わせるために、先ほど1人1枚引いたカードの中からどれか一つを選んでもらいます。

自分たちが興味のあるカードでも、主題2と掛け合わせたときに改善案を考えやすいカードでもグループの自由です。

もし今選んだ主題1のカードが、④の段階でどの目標に当たるか考えた際、複数の目標が挙がっていた場合はその複数の中でもどれが最も関連しているのかを決めてもらいます。つまり、④で『このカードは目標3にも当てはまるし、目標5にも目標7にも当てはまる』となっていた場合は⑤の段階でどれか1つに絞ってもらいます。

⑥主題2のカードを1枚引いてもらう

グループで1枚、代表者が主題2のカードを引きます。

⑦引いた主題2のカードと選んだ主題1のカードを掛け合わせて、改善案を考える

ここがこのワークショップのメインになります。
主題2の登場人物の特徴を活かして困っている人を助ける改善案を考えます。主題2の登場人物が主題1の人物に対し直接的な援助をする形でも、間接的に手を差し伸べる案でも構いません。改善案は④グループ内で決めた目標1~16の中のどれかに対して考えます。

この時に改善案を考えるヒントとして、現実に活動をしている企業の活動事例を紹介しました。

その活動はSDGsを意識して活動に取り組んでいるわけではなく、常に言われ続けている『貧困』『格差』『飢餓』などの問題に対して問題意識を持っている企業や個人が取り組んでいる活動です。活動事例を知ることで『そんな感じの解決案でいいのね』という解決案のレベルが見えてくると感じました。

また、ファシリテーターに対してヒントを求められることがあります。
この時、ファシリテーターが主題1と主題2のカードを掛け合わせた解決案をあらかじめ考えることは難しいので、主題2の人物の特徴を提案するようにしました。例えば女子高生であれば『かわいいというイメージがある』『SNSの拡散力がある』『若々しくてエネルギッシュ』などの特徴です。

⑧グループの案をアウトプット

グループの案が完成し、そこでファシリテーターがコメントをします。
コメントと言ってもグループの案に対するコメントではなく、そのグループが④で選んだ目標に対する説明や活動事例を情報提供する形です。コメントをしていく中で参加者の人に今回のワークショップを振り返って頂きます。今回のゲームにおいて主題2の登場人物が参加者のあなた自身だったと時、あなたはどんな行動ができるかを今後の生活の中で気にしてみてくださいと伝えます。

グループで考えた案は、次回の参加者やその他のお客さんが見えるようにボードに貼っておきます。これでゲームは終了になり、解散となります。

困っている人×自分 主観的な目線で考えてみる

今回このゲームでは困っている人×登場人物で解決案を考えました。困っている人の現状と登場人物の特徴を客観的に見ることで『この人ならこんなことができる』という考えを持ってもらうことがゲームの中では1つのゴールとなっていました。それと同時にもし、困っている人×自分というシチュエーションだった場合はどんなことができるかを意識してもらうこともゲームの狙いの1つにありました。

自分が普段当たり前のようにしていることが実は環境に良いことであったり、社会的に誰かを助けることに繋がることもあるかもしれない。そういった意識を今回のゲームを通して感じてもらい、私生活に何かしらの変化を持ってほしいと思いました。

自分自身も日々の生活の中で『こんな時自分にはこんなことができるな』と主観的な考えを持っていければと思っています。

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この記事を書いた人
橋本ゼミ生

産業能率大学情報マネジメント学部橋本ゼミに所属するゼミ生です。

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