場所×人によって会場は初めて完成する

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2016年10月15,16日に産業能率大学の学園祭「瑞木祭」が開催されました。
今回橋本ゼミでは、「夢のBLACK STAGE」と題して、体験型ゲームを行い、私は場づくり班として関わりました。場づくり班では体験型ゲームの内容に沿って、ライブ会場とアーティストの楽屋を作りました。
そこで、会場を作るうえで、「中心となるものは何だろうか」ということについて、考察していきたいと思います。

ライブ会場(ここで言うライブ会場とは、室内に入る前の外の場所を指します)を作るうえで、最初に考えたのは「ライブ会場で一番目立つものってなんだ?」ということでした。ファンのフォトスポットになるライブトラックや、ファンクラブ入会場所などが思い当たりますが、私は「ライブグッズ売り場」が一番目立っている(中心になっている)のではないかと考えました。

『ライブ会場っぽい(ぽさ)」とは』

「~ぽい」の意味は、「1…を多く含んでいるという意を表す 2…の傾向が強いという意を表す」(goo国語辞書)とあります。例えば「ハロウィンっぽい」だったらかぼちゃや仮装した人、「クリスマスっぽい」だったらサンタさんやクリスマスツリーなどが一般的にあがると思います。今回の場合は、教室に入った瞬間にライブ会場的要素をいかに多く含められるかだと私は考え、インパクトが出せて、なおかつライブ会場に必ずあるといっても過言ではないグッズ売り場を作ることにしました。

『今回のグッズ売り場の特徴』

グッズ売り場を作る場所は入口から入って目の前の場所にしました。理由としては、入った瞬間にライブ会場だということを視覚的に訴えるということと、教室の外からも見えるため、「あれって何だろう?」という興味から、ゲームに関心を持ってもらうためです。「夢のBLACK STAGE」というタイトルであることから、モノクロを基調としたデザインにしました。色を統一することである程度のまとまりとインパクトが出たと思います。また、グッズ売り場は、実際に人が入れるようにして、実寸大感を大切にしました。スタッフが中に入ることで、リアリティが増します。写真でもわかってしまうような布のしわを伸ばしたりすることが出来れば、クオリティを高めることも出来たと思います。

また、お客様に近くに来てもらうと、実際にグッズを買いに来たような感覚になるのではないか、ということを狙いました。そして、実際のグッズ詳細の一覧や、そのグッズ詳細に沿って本物のグッズを作り、実際にお客様に手に取ってもらえるようにしました。これも実際に手に取ってもらうことでリアリティが増したのではないかと思います。また、ライブグッズとしてタトゥーシールをお客様に配ってつけていただいたり、宣伝と一緒に外に配りに行ったりすることで、体験型ゲームのPRも行いました。


(実際に作ったグッズ売り場)


(グッズの詳細表)

グッズ売り場としては、形としては自分自身納得のいくものができたと思います。しかしクオリティはどうなのか、と聞かれると自信は持てません。それは、グッズ売り場の細部や、会場全体で見ると何かが足りないと感じることがあったためです。私にはグッズ売り場だけが浮いているように感じました。それはなぜなのか少し考えてみました。

『本当の場づくりの中心は人なのではないか』

なぜグッズ売り場だけが浮いているように感じたのか。それは「人の動きがないからではないか」と考えました。今回私たちは、ライブスタッフを意識し て、スタッフジャンパーを全員が着用していました。しかし、ライブ会場にはスーツを着た会場整理の人もいれば、警備服を着た警備さんなど、スタッフ以外の方もたくさんいます。そして、ライブスタッフも含め、ライブにかかわる人全員が、ライブを成功させるために責任を持ってそれぞれの役目をこなしています。

ライブではなく、もっとわかりやすい例として、東京ディズニーリゾートのキャストがあげられます。キャストとは、東京ディズニーリゾートで働く人のことを指します。東京ディズニーリゾートは、キャスト募集の公式HPに「東京ディズニーリゾートでは、アトラクションやレストラン、ショップといった施設はもちろんのこと、樹木やベンチ、ゴミ箱にいたるまでテーマに沿って造られています。 そして、そこで働くキャストもまた、テーマに沿った役割を「演じている」のです。」と書いています。ディズニーリゾートという空間は、会場と人(キャスト)が合わさることで初めて出来上がるのです。

今回私たちは、「夢のBLACK STAGE」の中で会場と人が合わさることができませんでした。人に関してはいないも同然でした。人が機能していれば、上にも書いたように、グッズ売り場の細かいところにも目が行き届きて、グッズ売り場のクオリティも上がったかもしれません。

私の「どこか会場だけが浮いているな」と思ったのは、「人」の要因が全く機能していないからでした。

『振り返りと今後について』

私は今回場づくり班に配属されましたが、場づくりとは、体験型ゲームのテーマに沿った外見(見た目)づくりをするものだと思っていました。当日までに会場のメインと考えていたグッズ売り場も形としては出来上がりました。当日を迎え、グッズ売り場にもお客様が興味を示してくださいましたが、何かが足りない、作りこみが足りない気がしていました。本来なら外にあるものを教室の中に完全に再現することは難しいと思いましたが、「その場の雰囲気」や「ライブ会場っぽい(ぽさ)」は自分たちの動き方ひとつでもっと良いものにできた、と本文を執筆していく中で気付くことが出来ました。

私は現在、大学でオープンキャンパススタッフとして活動しています。オープンキャンパススタッフは、産業能率大学のオープンキャンパスが行われる際、上で取り上げたディズニーリゾートでいう「キャスト」の役割を果たします。1日でたくさんの高校生と関わります。場所がわからない子に対して教えるということから、1人の高校生と30分以上話して相談にのることもあります。大学の情報は、当日までに作る掲示物などでも得ることはできます。しかし、その場に私たちオープンキャンパススタッフがいることにより、より多くのしかもリアルな情報を得ることができます。そして「また来たい」「この大学楽しそう!」と思ってもらうことに繋がります。

どんなに同じ道具を使っても、その人の使い方次第で相手の感じ方は変わると思います。しかし、それは悪いことではないと私は考えます。相手の感じ方は違ったとしても、その道具の使い方に個人の魅力が現れると思いますし、相手を引き込むために個人の力をつけることが大切だと考えるからです。私はこれからの活動において、自分の力で相手を引き込み、楽しませることができる「人」になりたいと思いました。

今回の経験で、今までとは少し違った角度で「場づくり」について考えることが出来ました。来年こそは、来てくれるお客様に私たちの作った「会場」と「人」で橋本ゼミの世界観に引き込まれていただきたいと思います。

参考文献
goo国語辞書 http://dictionary.goo.ne.jp/jn/148029/meaning/m0u/
東京ディズニーリゾート キャスティングセンター https://www.castingline.net/

執筆:5期生 後藤田美南

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この記事を書いた人
橋本ゼミ生

産業能率大学情報マネジメント学部橋本ゼミに所属するゼミ生です。

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