ILIOSによって生み出すコミュニケーション

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はじめに

今回、人間対ロボットというコンセプトを設定し、イリオスというカードゲームを作成しました。今回はイリオスを通してのコミュニケーションについて、また、なぜコミュニケーションが必要なのかを考えていきたいと思います。

QR長沢

イリオスにおける言語・非言語コミュニケーション

イリオスでは互いに「初対面」という環境から、お互いの様子を探るために非言語のコミュニケーションを取る様子が見られました。相手に自分の意見を理解してもらうために、ジェスチャーを使うといった行為です。

イリオスでは、視覚的要素として、相手の表情から感情などを読み取ることが求められます。例えば、はじめにロボットか人間かという役職が決められる際、役割カードを見た瞬間に表情に表れてしまうことがあります。対面し、その場を共有しているからこそ、相手の少しの変化にも気付きます。

また笑顔やうなずきにより、安心感や信頼感が生まれ、話しやすい環境を作ることができます。相手の意見を聞くときのうなずきや、何かを伝えようとするためにジェスチャーを用いる場面が多くみられました。追い込まれた時に鼻を触る動作が多くなったり、腕組など、心の焦りが身体的要素として表れていると感じる場面もありました。

イリオスでのコミュニケーション

イリオスではコミュニケーションがゲームを進める上で重要です。
とくに、学祭では「初対面」の相手とゲームをすることが多くなりました。ゲーム開始時はディーラーの運びによりゲームが進んでいきますが、その後はゲームの参加者同士でコミュニケーションをすることでゲームを進めていく必要があります。ゲームに参加している人の中には、会話を多くする人やほとんど話さない人も見られました。初対面の人がどういう人なのか、分からないまま嘘や真実を見抜いていかなければならない。ここに難しさがあります。

イリオスでのコミュニケーションは、普段の他愛もない会話と違い、相手の話していることを聞く力や表情を読み取る力など、普段意識していない能力が必要とされます。このゲームで会話をしているうちに、緊張がほぐれ始めると、話し合いがもっと深いものになり、相手を探るような会話が多くなります。このようにゲームを進めて行くうちに、自分のコミュニケーションというものが試されていると言えます。

普段から初対面との人と交流を持つ機会が多い人は、このゲームを優位に進めることができるのかも知れません。また、ゲーム終了後は、初対面であった人たちが仲良くなっていることもありました。それは、ゲームによってコミュニケーションが活性化され一体感が生まれたからと思われます。

体験型ゲームを通して・改善点

今回体験型ゲーム「ILIOS」というゲームを通して多くのことを学びました。まずゲームを作るという大変さです。ゲームを作るという点で一番苦労したのが、ゲームバランスです。ゲームの内容がとても面白いものであったとしても、ゲームのバランスがとれていないと、ゲームそのものが成立しません。試行錯誤を繰り返し、実際にゲームを私たちで何度も体験しながら内容を変更してきました。ゲーム全体のバランスを重視することが大切だということを学びました。

体験型ゲーム「ILIOS」の改善点としては、幅広い年代にゲーム自体が対応していなかったことがあげられました。ILIOSというゲームは、理解するまでに時間がかかるという問題点がありました。それに対応して、動画でのゲーム説明やディーラーのデモプレイなどを通してゲーム説明をしました。しかし、小学生低学年の方たちがゲーム体験すると、「ゲームが複雑で理解できない」、「ルールがいまいち分からない」などといった意見もありました。

アンケートでも、そのような声がありました。途中でゲームが成立しないという場面も見て取れたので、ゲームが小学生低学年などには、難しく複雑であることが分かりました。これはゲームを作る上で私たちがどのような年代が来店されるのかなど、把握しきってなくゲームを作ってしまったという反省点も挙げられます。改善案としては、ゲームを作成するときに、どの年代でも体験できるゲームなのか、また複雑になる場合は、対象年齢を最初からつけ、何歳以上が対象になる体験型ゲームという記載をつけるなど改善ができると思いました。

また小さな子供などが来る場合は、親と同伴でゲームに参加していただくということもできると思いました。全体として、準備期間が短く、短い期間の中で体験型ゲームを作成したので、もっと計画的に時間を掛けて体験型ゲームを作成することが重要だと思いました。今回、この体験型ゲーム「ILIOS」を体験してくださって、私たちが研究していることが少しでも伝われば幸いです。

執筆:橋本ゼミ4期生 長沢 達郎 中村 一輝

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この記事を書いた人
橋本ゼミ生

産業能率大学情報マネジメント学部橋本ゼミに所属するゼミ生です。

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