ILIOSに求められた「ファシリテーター」とは

はじめに

 2015年11月7,8日に産業能率大学で瑞木祭が開催されました。
 今回私たち橋本ゼミが提供した体験型ゲーム「ILIOS」にはゲームのファシリテーターとしてのディーラーとプレイヤーの、大きく分けて2つの立場の人間によってゲームが構成されています。私たちは運営側からファシリテーターとしてゲームに参加しました。
 そこでILIOSにおいてのファシリテーターがどうあるべきであったかを考察していきたいと思います。

報告書①山口

ファシリテーターとは

 ファシリテーターとは、「ファシリテーション(会議やプロジェクトなどの集団行動がスムーズに進むように、また、成果が上がるように支援をすること)を専門的に担当する人のことをいう。 ファシリテーター自身は集団活動そのものに参加せず、あくまで中立的な立場から活動の支援を行うようにする」※1とされています。

 日本ファシリテーション協会では、ファシリテーターに求められるスキルとして段階ごと大きく分けて以下の4つがあげられています。
 ①場のデザインのスキル
 ②対人関係のスキル
 ③構造化のスキル
 ④合意形成のスキル

 以上を基にILIOSにおけるファシリテーター(ディーラー)がどうあるべきであったか考察します。

報告書②山口

場のデザインのスキル

 場のデザインのスキルとは、誰と、何を目的に議論をしていくのか、どのようなやり方でやっていくのかを明確にするスキルです。
 ディーラーにおいては「ルール・主旨説明」と仮定します。ゲームを進めていくうえで、ゲームのルール、ゲームの主旨がプレイヤーに理解されないと成り立ちません。オープニングの段階でルール説明の動画を見ていただいてはいましたが、映像のみで実際のプレイに移るのは難しかったので、それに併せて卓上でのデモプレイを通して、時間をかけルール説明をする形を採りました。それでもお年寄りの方にはルールが伝わらなかったり、お子様には主旨が伝わっていなかったりしたことが度々見受けられました。ルールをよりわかりやすく分解することや、デモプレイの工夫が必要でした。

対人関係のスキル

 対人関係のスキルとは、会議のメンバーからのメッセージを受け止め、そこに込められた意味や意思を引っ張りだしていくスキルです。
 ILIOSにおいては、「ディーラーとプレイヤーとの関係」と仮定します。プレイヤーからのルールや主旨に関する疑問をしっかりと読み取り適切な助言をすること、また、ディーラーがプレイヤーとコミュニケーションをとることでゲームがよりいい雰囲気で進行していくために必要であるスキルです。

構造化のスキル

 構造化のスキルとは、しっかりと議論をかみあわせながら、議論の全体像を整理し、議論をわかりやすい形にまとめていくスキルです。
 この段階はILIOSでは「1~2回戦目」と仮定します。1、2回戦目は少し主旨から外れた話し合いや、目的から離れてしまう話し合いが見受けられ、時間を多くとることがありました。そこでディーラーは自分の意見や意思決定を行わずに話し合いに入り議論を整理することが必要でした。

合意形成のスキル

 合意形成のスキルとは、意思決定のステップで、様々な対立が生まれるこの段階で、その対立を解消し合意に持っていくスキル、またその後の活動を次への糧とすることです。
 ILIOSでは、「3~5回戦目、また結果開示後の話し合い」と仮定します。3~5回戦目、つまりゲームの勝敗が決定する可能性のある段階です。ここでは様々な意見が飛び交い意見の対立が発生し、なかなかまとまりません。時間を多くとってしまった場合多数決によってプレイヤーの意思決定を行いましたが、時間が来たらいきなり多数決に入るのではなくその前にディーラーが一旦話し合いを止め、一人一人に意見落ち着いて意見させる場を設けることも必要だったのではないかと思いました。また、出た結果をまとめ、プレイヤーに次の話し合いがよりやりやすくなるようにすることも必要でした。

まとめ=ILIOSに求められるファシリテーター

 以上のことからILIOSに求められるファシリテーターとは、「プレイヤーにゲームのルール・主旨を理解してもらうこと、ゲームそのものに参加せず、中立的な立場からゲーム進行の支援を行うようにすること、ゲーム中に自分の意見を述べたり自ら意思決定をしたりすることはなくゲームの勝敗から離れた客観的な立場から適切なサポートを行うこと、集団のメンバーに主体性を持たせることが求められる」と結論付けたいと思います。

瑞木祭を終えて

 当日参加していただいた方にアンケートを回答していただき、多くの方々に「ゲームの内容は難しいけど、おもしろかった」といった感想をいただきました。ゲームとしては成功したと思います。今回、瑞木祭に4期生として、初めて3期生の人たちとの活動に参加して自分たちの未熟さを痛感しました。この悔しさを糧に来年度の活動に活かしていきたいです。
 今回瑞木祭で橋本ゼミの体験型ゲーム「ILIOS」に参加していただいた皆様、アンケートの回答をしていただいた皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。

参考文献
・※1コトバンク ビジネス基本用語集「ファシリテーター」「ファシリテーション」
https://kotobank.jp/

・特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会
https://www.faj.or.jp/

執筆:橋本ゼミ4期生 富岡旭 山口誉

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