目次
はじめに
「世界初!?アガサ・クリスティ原作ミュージカルを用いて『新たな学び』を創ろう!」
経営学習研究所のnoteを読み参加を決めた私だったが、はじめは「ミュージカルを題材にするという事は、歌ったり踊ったりするのだろうか」と思っていた。これまで演劇のワークショップに何度か参加したことがあり、今回のワークショップもそれに類似したものだと考えていたのだ。しかし実際にワークショップに参加して体験したことは、私の想像とは異なる「新たな学び」の創造だった。
従来の「演劇系ワークショップ」
私は中学、高校、大学と演劇部に所属してきた。その為、県の高校演劇連盟が開催する学生向けのワークショップや、地域の劇団が開催するワークショップにも何度か参加したことがある。そうした場の多くは、身体を動かしてみたり、発声をしてみたり、短期間で作品を制作してみたりと、直接的に演劇に関わるものであった。
この記事のように、演劇×ワークショップといえば、短い期間の中で、演劇という完成品を作り上げる体験という印象が大きかった。
しかし今回参加した「SUNDAY」のワークショップは、演劇を材料として新たな価値を創造する、別角度の試みである。
「SUNDAY」ワークショップ
今回のワークショップの内容は、音楽座ミュージカル「SUNDAY(サンデイ)」の内容を基にした「新たな学び」の創造である。音楽座ミュージカルはその名の通りミュージカル作品を手掛ける傍ら、研修事業にも力を入れており、作品成立と経営基盤の両立を行うカンパニーである。
ワークショップでは音楽座ミュージカルの研修事業に着目し、『「SUNDAY」を題材にした研修内容』についてアイデアを出すことになった。期間は半日~1日、実現性×オリジナリティの両方を兼ね備えた内容を考えるものである。かつ、音楽座に利益を生み出すターゲットを提案する必要があった。
他班からは「ウェルビーイングの追及を目的としたワークショップ」や「仕事のもやもやを歌詞にする」など、ユニークな研修内容が提案された。
グループワークで感じた「社会人」と「大学生」の違い
6グループに分かれてグループワークを行った。私が所属するグループには私含めて6名。音楽座からはメンバーの方も入ってくださったが、私以外は既に社会人だった。
そこで目の当たりにしたのは、認知している世界の広さの違いである。「経済的利益を生む研修を考える」と聞いた時、企業向けである事は理解していたものの、うまくイメージが広がらなかった。私たちのグループでは「キャリアの転換期にいる人」をターゲットに設定しており、「就活生に向けた研修」「大学生向けの研修」など、今の自分と近いところにいるターゲットのイメージはあったのだが、それが直接的利益に結びつくかどうかは分からなかった。しかし、グループメンバーの話を聞いてみると、「マネジメント層(管理職)」「再雇用」など、企業研修をするにあたって適したキャリア層に対する意見がどんどん上がってきた。自分には無い考えや視野の広さに圧倒されると共に、就職活動を終えてなんとなく社会について知った気になっていた自分が恥ずかしくなった。様々な仕事、様々な役職に就いている方々と意見を交わすことで、自分の認知世界が広がっていくのを感じた。
今回のイベントで学んだこと
イベントが始まる前に音楽座の藤田将範さんが言っていた、「すっきりしないミュージカルを作っている」という言葉を改めて思い出した。
作品を観劇する立場としては、正直物語がすっきり終わった方が「あ~すっきりした」と爽やかな気持ちで帰ることが出来るだろう。私も最初はそう思っていた。
しかし、あえて解消できない違和感を設けることで、考える為の余白を与えている事に気が付いた。今回のイベントを通じて、もやもやから生まれる気付きがあることを学んだ。人生は物語のように都合良くいかない。人は何かしら心の中にもやもやした解消できない経験を抱えている。しかし、そのもやっとしたものを自分の行動でクリアにすることで、改めて自分の本質が見えてくる。気付きだけでなく、そこからどんな行動が出来るかについて考えることが出来た。
イベントを開催してくださった経営学習研究所の皆さん、音楽座ミュージカルの皆さん、お誘いくださった橋本先生、ありがとうございました。
音楽座ミュージカル「ラブ・レター」秋公演が11月に上演されるそうですので、皆さま是非。