SDGsの本質とは?診断できっかけを作る方法

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はじめに

 こんにちは。橋本ゼミ6期の喜久川果穂です。

 私たち橋本ゼミはSDGs(2030年までに達成しなければならない世界の17個の課題)をテーマに取り上げています。11月に開催された瑞木祭ではSDGsをより簡単に身近に感じてもらうべく、ブースを2つ作り、1つは来場者の方の興味に近いSDGsの目標を知るための診断を行い、もう1つはゲームを作成し展示しました。

 私は診断ブースに所属し、ポスター作成と当日のファシリテーターを担当しました。その中でSDGsの内容を理解し、SDGsの本質に気がつくことができたと感じています。今回はその本質とは何かについて説明していきたいと思います。

SDGs診断方法

 まず、私たちが作成した診断表の例を紹介します。

 例えば、「旅行にいくならどっち?」という質問に「国内」or「海外」という選択肢があります。この質問に「国内」と答えた場合、目標9の技術革新に4点が加算されます。逆に「海外」と個体場合には目標1の貧困に1点、目標2の飢餓に3点、目標4の教育に7点、目標8の働き甲斐に2点、目標10の人・国の平等に5点が加算されます。

 これは海外から連想される目標を関連が高いもの順に点数を高く設定し作りました。このような質問をいくつか答えてもらい、各目標に点数が加算されていき、その人の最も点数の高かった目標がその人にあった目標だと診断される仕組みになっています。

当日の感想

 実際に当日ファシリテーターとして、来ていただいた方々の診断を手伝わせていただきました。多くの方には、「確かに興味ある」と言ってもらえました。しかし、その中で診断結果に満足していない方を何名かみかけました。それは「これはあまり興味ない」や「あっちの方が興味ある」というものでした。

 ここで私が疑問に思ったのは、本人の考えとは少し違った診断結果が出たことはなぜおこるのかです。

SDGs診断の本質とは?

 ここで、なぜこのような診断結果のズレが生じるのでしょうか。

 ズレが生じるのは診断表が正確でないと思う方もいると思います。それは間違ってはいません。私たちは診断表に正確性をあまり求めませんでした。なぜ正確性をあまり求めなかったか、それにはSDGsの本質に関係した理由があるのです。その理由を説明していきたいと思います。

 まず、私たちは来ていただいた方にSDGsに興味を持ってもらいたいなと思いました。そこで、SDGs17個全部に興味を持ってもらうのは難しいため、とりあえず1つに興味を持ってもらうことが目的で診断というアプローチの仕方を選びました。

 1つの項目に興味をもってもらい、それから連鎖し、他の項目にも興味を持ってもらいたいと考えました。それは、SDGsの17個の目標は、すべて繋がっていると考えるからです。

 SDGsは1つの目標から他の目標へ派生していきます。私たちがこの診断で伝えたかったことは、SDGsを身近に感じてもらうだけでなく、一つの目標に興味をもってもらい、そこから派生して他の目標にも興味を広げてもらうためだったのです。

 そのためにも、診断を正確に作成するのではなく、逆に表面的には興味ないが深い所で目標に合致しているような診断がでるようにも考えました。そのことで、他の目標も見てもらいやすくなり、さらに自分がわからない内容が出た方が、どんなものなのか興味がわき、その過程で自然と他の目標にまで派生していくことを狙っての狙いだったのです。

SDGsの派生例

 ここではいくつかのSDGsの派生例を取り上げてみたいと思います。

 まず、もっとも簡単な例としては、目標17の「パートナーシップで目標を達成しよう」は他の16個の目標を達成するために絶対に達成しなければならない目標です。パートナーシップを活性化することは、先進国や発展途上国などの国と国同士での助け合うことなどが挙げられています。どの問題を解決するためにも、他の国や地域などの交流や助け合いが必要です。そのため、この目標17はどの目標にも関連していると言えます。

 また、具体例でいうと目標6の「安全な水とトイレを世界中に」は、目標9のインフラの整備が必要になります。さらに、6番の目標(安全な水やトイレ)が達成されることは、目標3の「すべての人に健康や福祉を」にも関係しています。

 他にも、目標9番(インフラ)が達成されていくことでデジタル格差が改善されていき、それは目標10の「人や国の不平等をなくそう」にも連鎖しています。また、すべての人に公平な経済発展の機会が提供されることで、目標1の貧困をなくすことにもなり、貧困をなくすということは目標2の飢餓をなくすことや、目標4の公平な教育にもつながります。

 分かりやすい例でいうと、目標14「海の豊かさを守ろう」や15「陸の豊かさを守ろう」は直接的に目標13に関わっていることがわかります。目標14や15の達成は人間の生活を守るだけでなく、自然環境の保全にも関連しているため、目標13の気候変動の改善にも繋がりがあると言えます。

まとめ

 今回の瑞木祭では、SDGsについて学べただけでなく、なぜ診断をして、診断をする意図を理解できました。また、SDGsのような少し難しい内容を知ってもらうためには、詳しく説明するよりも、今回ゼミでやってように診断などをきっかけにして、深く知ってもらうという方法も経験できました。そして自分自身もこの診断の経験から、SDGsの本質のようなものに気付くことができました。

 SDGsは単に世界の課題を17個挙げたものではなく、一つ一つの目標が関連してつながっていて、何一つとして自分に関係がないものはなく、みんなが考えていかなければならないものであると認識させられました。今回私たちが瑞木祭で、診断を通して、一つの目標から派生し、「この目標も関係している!」や「この目標を達成することはこの目標にも繋がるのかもしれない!」などと派生していきSDGsに少しでも多く興味をもってくれた人がいれば、私たちのSDGs診断の意図がしっかり機能していることになります。少しでも多くの人にその意図が伝わっていれば良いなと思います。

執筆:橋本ゼミ6期生 喜久川果穂

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この記事を書いた人
橋本ゼミ生

産業能率大学情報マネジメント学部橋本ゼミに所属するゼミ生です。

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