体験型ゲーム 「奪われたCCを取り返せ」 ―Missionアノ伝説ノ妖怪ヲ調査セヨ― を終えて

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1.初めに

初めに、「PJ REAL」とは、体感型ゲームを通じ我々のゼミの研究対象を文字通り「REAL」に体感してもらうことで、参加者の方々に理解を深めてもらうためのプロジェクトです。

今回私達のゼミではこの先の社会で必要となるイノベーションを起こせること、つまりは革新的なアイデアなどを出せることが重要であると考え、「creative confidence-創造力に対する自信-」(我々はこれを「CC」と読んでいます。)をテーマとして活動を行いました。その結果、「CC」は元々生まれながらに持っており、年を重ねるごとに失っていってしまうものです。一方で、取り戻す事も可能であり、そのためには複数の思考を身につけねばならないという結論に至りました。
私たちはその思考を参加者の方々が楽しみながら「CC」とは何かを理解することの出来るゲーム「奪われたCCを取り返せ―Missionアノ伝説ノ妖怪ヲ調査セヨ―」を開発し、実施しました。
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2.ゲーム構成

今回のゲーム、「奪われたCCを取り返せ―Missionアノ伝説ノ妖怪ヲ調査セヨ―」の内容は、主人公の「鈴木一郎」が「CC」を天狗に奪われてしまい、それを奪い返すといったものです。(詳しいあらすじは下記URLより特設サイトをご覧下さい。)

今作ではまず、参加者は、初めにオープニングのムービーを見た後、妖怪などの都市伝説を研究する「橋本研究所」の研究員から天狗の討伐を依頼されるのですが、天狗の討伐には、「勾玉」・「剣」・「鏡」の三種の神器が必要であること、それぞれを手に入れるためには、それぞれの神器を持った「エキスパート」を見つけ出し「三つの試練」をクリアしなければならないと告げられ、各自1枚のチェックシートを渡され、ゲームが開始されます。

チェックリスト1108

ゲームの舞台は、縁日をモチーフとした内装になっており、「射的」・「からくり屋」・「くじ引き屋」3つの屋台が配置されています。この3つの屋台の店主が「エキスパート」なのです。店主である「エキスパート」達は自分たちの屋台に訪れる参加者に対し、それぞれ試練を与えます。
それぞれの試練の内容は次のようなものです。

「射的屋」

射的屋は「的に当てられることは自分の能力が優れているからか?才能を持っているからか?」「的に当てることができないのは自分の能力が劣っているからか?才能がないのか?」といった質問をされ、決まった選択肢を選ぶことができたらクリアです。

「からくり屋」

からくり屋は、あらかじめ用意されている道具などを使いNHK「ピタゴラスイッチ」に出てくるような仕掛けを作ってもらい、決められた条件を達成した上で、ゴールまでビー玉を移動させることができたらクリア。

「くじ引き屋」

くじ引き屋では開始前にチーム分けをかねて配られる襷に花が付いている人(各チームに1人ずつ)が当選者であると店主に呼び出され、×印のついたマスクと共に問題の書かれたシートを渡される、当選者は喋らずに問題を解くことができたらクリア。

「天狗&最後の試練」

上記の試練をクリアし、神器を全て手に入れることができたら、参加者は舞台の奥に居る門番の元に行き、結界の中へ入り天狗とのバトルに…なるはずだったのですが、ここで天狗から「自分は無実である」と告げられ、「無実を証明して助けて欲しい」と頼まれ、ゲームの舞台内に隠された「鈴木一郎がCCを失った本当の理由」を見つけ出すことが出来たらクリアです。

全体像

その後はエンディングと参加者の方々の取り組み風景などを編集したリフレクションムービーを入れ混ぜ上映、最後に問題の解説、答え合わせ(実はCCがなくなった原因は鈴木一郎にあった)、全問正解したグループを発表し解散といった流れでした。

また、各問題の詳細は同ゼミ学生の投稿したブログをご覧下さい。

特設サイト

特設サイト

学生ブログ

体験型ゲームをマインドセットから見て
共同作業が正しい!? 内向型人間について知るきっかけに 2014年度プロジェクト報告書

3.ゲームから得て頂きたかったこと

今回のゲームでは序盤に記した通り、「creative confidence-創造力に対する自信-通称CC」を参加者の方々に知っていただき、身につけて頂くことが最大の目的です。
このゲーム内では初めは「鈴木一朗のCC」がなくなったのは「他者(天狗)のせいである」としており、その原因を断つことで取り戻すことができ、そのために行動する、といったものでした。しかし、実際には他者に原因があるわけではなく、「原因」は鈴木一郎が「こちこちマインドセット」であることであり、「しなやかマインドセット」になれば「CC」を取り戻すことが出来るというものでした。

このゲームを作る為にまず我々は、“「クリエイティブ・マインドセット?想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法」トム・ケリー&デイヴィッド・ケリー[著] 千葉敏生[訳]”という本を参考としました。この本は、今回のテーマである「CC」の重要性や、身につけるための方法などが記されています。そして今回我々は、その中から、「デザイン思考」・「内向型人間」・「こちこちマインドセット/しなやかマインドセット」の3つを問題として取り上げました。

そして、「デザイン思考」は“「デザイン思考が世界を変える?イノベーションを導く新しい考え方?」ティム・ブラウン[著] 千葉敏生[訳]”を「内向型人間」は“「Quiet―内向型人間の時代―」スーザン・ケイン[著] 古草秀子[訳]”、「こちこちマインドセット/しなやかマインドセット」では上記の「クリエイティブ・マインドセット」に加え、“「【やればできる!】の研究?能力を開花させるマインドセットの力?」キャロル・S・ドゥエック[著] 今西康子[訳]”といった本をそれぞれ参考にし、「デザイン思考」⇒「からくり屋」、「内向型人間」⇒「くじ引き屋」、「こちこち/しなやかマインドセット」⇒「射的屋」・「最終問題&ゲームの中心」と分け、問題(試練)を作り上げました。(詳細は上記の各試練や最終問題のブログをご覧ください。)

今回のゲームへ参加した参加者は、各試練を通過するたびに、本で紹介されている上記の思考法を体験していくことになります。そうすることで、理解を深めて頂き、「CC」を取り戻すことへ繋げて頂きたかったのです。
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4.PJ REALを終えて

私は、この「PJ REAL」に携われて良かったと感じています。
このプロジェクトを通じ、人生が明るく豊かになるであろう思考法を知ることができたり、同期のゼミ生や先輩方とも親しくなることができました。私自身「しなやかマインドセット」をまだ持ててはいない気もしますが、これからゆっくりと身につけていこうと思っています。
また、今回のゲームは個人的には「もう少し頑張れたのでは?」とも思っていますが、今回を踏まえ、もしまた今回の様な体感型ゲームを作成する機会があればもっと良いものが出来る様励みたいと思います。

‐最後までお読みいただきありがとうございました。
産業能率大学 橋本ゼミ所属
2年 亥角聖矢

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