目次
はじめに
こんにちは。橋本ゼミ12期生の渡邉、楠、桑原です。
この報告書では、2023年の瑞木祭にご来場できなかった方に向けて今年の瑞木祭で橋本ゼミでどのような活動を行ったのかを紹介します。
まず、橋本ゼミを知っていただくために、簡単な紹介をします。
橋本ゼミは「しなやかなソーシャルイノベーションの実現」をテーマに研究しています。私たちは世の中の社会問題や社会トレンドに対して当事者意識を持ち、考え、理解し、実践することに挑戦しています。
そして、私たちは研究発表の場の1つとして毎年瑞木祭で展示を行っています。
2023年の瑞木祭のゼミの研究テーマは、「AI時代のコンヴィヴィアリティ」でした。
この研究テーマを簡単に言うと、「AIが人間の能力を高めてくれる第一分水嶺と、AIが人間の能力を奪ってしまう第二分水嶺を設定し、双方の間で人間がAIの機能を活かせる社会を実現する」ということです。
音楽生成AI部門について
音楽生成AI部門では瑞木祭でBGMという役割と、来場者にAIで音楽を作ってもらい楽しんでもらうという二つの役割がありました。どのようなことを思い、音楽生成AI部門を担当したのかを、杉森さんにインタビューしました。
渡邉:「音楽ブースを担当されましたが、どのようなことをしましたか?」
杉森:「来ていただいたお客さんに作り方を説明し、一緒に音楽を作ったり、場内の雰囲気を作るために生成AIで作ったBGMを流したりしました。」
渡邉:「やってみた感想を教えてください」
杉森:「大人から子供まで多くのお客さんが来場されたのですが、現在の技術の進化を体験を通して伝えることができてよかったです。その方々が技術者までとは言わないですが、身近な便利ツールとして使いこなし、創造的な何かを作り出せるようになってくれれば良いなと思います。」
渡邉:「ありがとうございました。」
AI相談部門について
AI相談は、Chat-GPT4を用いて来場者様の日々の不安や悩みをAIと相談することで解消しようというコンテンツです。相談をするという行為は、ある程度信頼のおける人物にしかしません。相談内容によっては他の人に知られたくないというものがあるからです。しかし、AIに相談することは外に漏れてしまう心配がなく、気軽に相談することができます。このAI相談がどのような意味があったのか、社会に及ぼす影響は何なのか。
AI相談部門を担当した佐藤さんにインタビューしました。
桑原:「瑞木祭で「AI相談」ではどのようなことをしましたか?」
佐藤:「来場者様の悩みをChatGPTに投げかけ、回答をもらうといったことをしました。」
桑原:「瑞木祭後、改めて「AI相談」での活動を振り返って、どのような意味があったと考えていま すか?」
佐藤:「来場者様に「こんなこともできるのか」といった声をもらえた点と、AIに相談するということ は何をしているのかをAIを理解できないものと考えずに、調べることができた点に意味が あったと思います。」
桑原:「最後に、人間同士で相談することは当たり前にあることですが、AIと人が相談することで 社会に及ぼす影響について佐藤君はどのように考えていますか?」
佐藤:「AIと言っても一般的な意見を集めた第三者的目線であると思うので、対人間には話しにく い内容も「AIになら話してもいっか」ということが起きて、人間同士の相談が減少しコミュニ ケーションが弱まる危険性があると思います。」
桑原:「実際に私も体験したのですが、人に相談するときより気軽に相談できると思います。対人 間だと、いかにその相談相手を信頼していようとも私が相談する内容で相手がどのように 思うのかかなり気にしてしまいます。その点、AI相談は自分の悩んでいることや解決したい 物事に対して相手に気を遣わないので、とても気軽に相談できました。
しかし、「この気軽に相談できる」という点こそ人間のコミュニケーションを弱めてしまう可能 性があり、自分の悩みを相談できる友人が少なくなり、人間同士の交友関係が希薄になっ てしまうことにつながるかもしれませんね。」
「本日は、ありがとうございました。」
使用例①
使用例②
AI恋人部門について
AI恋人部門では、来場者様の「理想の恋人」を画像生成AIを使って再現しようと試みました。近年画像生成AIの精度が高くなっています。
具体的な例として「伊藤園がCMに起用したこと」が挙げられます。AIによる人間の生成のクオリティが上がることには、どのような意味があるのでしょうか。また、どのようなことを考えることが出来るのでしょうか。
AI恋人部門を担当した内山さんにインタビューをしました。
桑原:「瑞木祭で「AI恋人」ではどのようなことをしましたか?」
内山:「理想像を作るための質問をいくつか用意して、参加者に回答してもらい、その回答をもとに DALL-E3で画像を生成しました。生成した画像の感想を来場者様に聞き、今の画像生成系AIの状況について説明しました。」
桑原:「瑞木祭後、改めて「AI恋人」での活動を振り返って、どのような意味があったと考えていま すか?」
内山:「画像生成系AIのクオリティが上がってきていることや、この技術との向き合い方を知ることがで きるコンテンツだったと考えています。クオリティが上がり、場合によっては本物か偽物か判断がつかないような画像も出来てしまいます。私は、この技術を悪用できてしまうから使わないのではなく、うまく使う方法を考えることのできるコンテンツだったと考えています。」
桑原:「私も理想の恋人を生成していただいたのですが、私のどタイプの女性が出てきて驚きました!しかし、それと同時に少し怖さも感じました。所謂アニメキャラなどの二次元キャラではなく、より三次元に近いクオリティで生成されたためです。確かに、この技術は悪用されてしまう危険性を孕んでいると私も考えます。」
「しかし、瑞木祭を通して画像生成AIを学び、技術との向き合い方を知ることができた内山君だからこそ上手く付き合っていく方法を見つけられると考えます!」
実際に使用したプロンプトとそれによって生成された画像
プロンプト
・お願い
#あなたは大好きな彼女を撮っている彼氏。あなたは以下の条件で描かれている人物を撮影してください。
#リアルな写真です。
#あなたならできます。頑張って!
・目的
#大好きな彼女のコーディネートをして、映える写真を撮る。
・情報
“#25歳 #国籍は日本人 #女性 #性格は体育系 #バランスを大切にする人 #外見の雰囲気はクラシック&フェミニンな雰囲気 #場所は森林 #高い視点持ち、自由を愛する #目の色は黒 #髪の長さはショート #前髪を下ろしていない #ポーズはピース #時間帯は夕方
模擬店について
模擬店では伊勢原市内の獣害問題に焦点を当てて、ジビエカレーを販売することにしました。その中でより良い広告塔をつくるためにARで等身大の鹿のパネルを作成しました。
そこで模擬店の担当者さんにインタビューしました。
楠:「瑞木祭で模擬店担当はどんなことをしましたか?」
小野:「鹿のパネルをchat gptを活用しながら完成させました。」
楠:「実際に作られてみてどうでしたか?」
小野:「瑞木祭当日では小さいお子さんなどがARで出力された等身大の鹿と写真を撮って いましたね。」
楠:「瑞木祭を振り返ってみて今回の活動にはどのような意味があったと考えられますか。」
小野:「主に2つの意味があると思っていて、1つ目にchat gptなどを駆使すれば意外と作れるんだなという自身の成長的な意味。2つ目はゼミにおいて何かプロジェクトを行う際にARという選択もあるということをゼミ内に残すことができたということです。」
楠:「ゼミ活動として、自身の勉強として意味があったということですね。本日はインタビューありがとうございました。」
おわりに
橋本ゼミでは、各ゼミ生が各々興味のある分野だけでなく、興味のない分野を研究することがあります。個人で研究に向けた学習ができる学生を前提に、様々な事柄に興味を持ち、当事者意識を持つことができる学生が多く在籍しています。これらのことを、執筆者は瑞木祭でコンテンツを制作した学生にインタビューすることで再確認しました。これからも橋本ゼミ一同「しなやかなソーシャルイノベーションの実現」に挑戦していきます。
最後まで当記事を読んでくださりありがとうございます。
橋本ゼミでは2023年瑞木祭以前にも様々な活動を行っております。是非他の学生が執筆した記事をご覧になってください。
執筆:橋本ゼミ12期生 渡邉 大祐 楠 駿祐 桑原 宏典