カオスの中から新しい何かを作り出す力 OBに教えられた話

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先日、あるOBから相談があると言われ、Zoomで話をした。相談自体は様々だが、社会人として、大人として、社会の中で格闘していると発生しうる相談事であり、それ自体が頑張ってる証のようで嬉しい。

その中で、仕事の話になった。彼は、営業をしているのだが、その仕事は(少なくとも)学生が一般にイメージしている営業とは異なる。

学生の一般的なイメージは、売るものが決まっていて、それをどう売るか?であることが多いが、そのOBのやってることは、ほとんど売っていない。むしろ、売る物も顧客自体もよくわからない。ただし、やってることの数手先には、たしかにビジネスが発生しそうなことは分かる。

「ビジネスにならないことも多いですけどね」というが、作り出してきたこと自体がすごいことだ。広告関係という業界特性ゆえの部分もあるだろうが、どの業種であろうとレベルが上がれば上がるほど、こういった側面は強くなるだろう。

つまり、「新規事業の創造」とまでは言えないかもしれないが、既存のものを繰り返すだけではなく、新しい何かを作り出すという側面だ。

そしてその際、何をやっているかといえば、「カオスを整理していく」ことだろう。局所的には、「わからないことに突っ込める力」が必要になる。

あとから振り返ってみると、実に簡単なことだったと分かることもあるかもしれない。しかし、その最中には確実に、何をどうしたら良いのかわからないカオスの中を、使えるかもしれないものをフル活用しながら格闘し続けなければならない。これは、かなり特殊な能力を要することだと思う。

いわゆる受験勉強的な学力では測りにくい分野でもある。

その時、ふと思った。
この力、今ゼミなどで鍛えられているかな?と。

何をやるのかがわかりやすいことに流れていなかったか?
形を作ることを気にして、カオスを避けていなかったか?
失敗したあとこそが自分の仕事であることを忘れていなかったか?

そんなことを考えた。
少なくとも、「わかりやすいことはいいことだ」を良しとしたり、カオスの中で格闘することを「良くないこと」としていてはいけないなと。

「っていうか、Learning is Entertainment じゃないですか?」と言われた。Learning is Entertainment は橋本ゼミのビジョン。たしかにその姿勢を大事にしていけばいいんだよなと、教えてもらった夜のひとときだった。

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この記事を書いた人

産業能率大学情報マネジメント学部 准教授 橋本諭(はしもと さとし)。
研究テーマは、ソーシャルビジネス、人材育成を扱っています。

橋本 諭

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