オンライン面接では画面に映る相手にだけ話をしていてはダメ? オンライン面接について考える。

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2020年は本当に特別な年になりました。
世界中が、こんなにも同じ話題で持ちきりになるのは、グローバル時代というものを実感しています。

オンラインでいろいろなことができるようになっているので、場所の制約を超えてOBOGらとも連絡を取っています。普段は、近況報告などがないってことは何事もない証だなと思っていますが、今回のことをきっかけに連絡をもらうのは悪くないかなと思っています。

そんなOBと話をしたときに気づいたことを書いておきます。何かのメッセージというよりも、現状の自分自身の備忘録的なものです。

そのOBはエンジニアですが、つい最近転職を決めました。その際、面接もオンラインであったというのです。現在、オンラインの面接は新卒採用などでも広がっています。

そのOBは、(ざっくりと私の理解をまとめると)

オンライン面接は、目の前の面接官だけではなく、その後ろ側にいる面接官の上司とかを意識して面接を受けた

OBによる発言を橋本がざっくりとまとめたもの

というのです。

たしかに、オンライン面接は面接の「プロセスそのもの」を録画することができます。
この行為の法的是非の観点や、すくなくとも倫理的観点は検討する必要があります。しかし、技術的にはほぼコストをかけずに達成することができるようになったのです。

そして、2020年現在、コロナウイルスによる(外出)自粛要請に従うという観点から、オンライン面接は急速に「正統性」を持ち始めています。

様々な観点から議論が必要な内容だと思っていますが、(肌感覚で)オンライン面接が急速に普及している中、面接をする側される側ともに考えるべき点はあるのだと思います。

まず、面接を受ける側は

OBの言う通り
・目の前の面接官だけではなく、その背後にいる人達を想定すべき

といったことが挙げられるでしょう。


これまで、面接が進むたびにより上席者(多くの場合年齢も上がる)になってくるので、1次面接でサークルやバイトの話でも良いけれど、3次面接とかになったら学業の話をちゃんとするべきだ、といった実践的なアドバイスを聞くことがありました。

このアドバイス自体が表面的だなとは思うものの、このアドバイスを前提として考えると、オンライン面接においては、目の前に見えるのが若手社員であっても、より上席者(多くの場合年配者)を想定しておくべき、という話になるのかもしれません。

当然、明らかに自分に向けて話をされていないと感じるのは、コミュニケーションとして不適切ですので、若手社員に話をしつつ、背後の人に話をするといった非常に高度なコミュニケーション力が求められることになるのかもしれません。

また、画面に映る背景なども多くのメッセージを持ってしまいます。どんな場所で面接を受けるのかも大事になってくるでしょう。

他方、面接の回数は減るのではないでしょうか。これは良いことだなと思います。

多数の面接を行うのは、多様な視点や立場から見ることが目的だと考えられます。その点に対して合理的に考えるならば、多数の面接を行う必要性はなくなると思います。(企業への志望度を測るために、何度も拘束するためであれば、減らない)

この辺りから言えるのは、面接がブラックボックスではなくなる、ということだと思います。

それは、採用側にも変革をもたらすと思います。
これまで、面接室で何が行われていたのかは、当事者以外には分からないことでした。

面接のプロセスが記録された場合、検証ができるようになるわけです。
特に重要だなと思うのは、質問に対する回答にどうリアクションしたのか、だと思います。

どんな質問を聞くのか?は、ガイドラインを作っているケースが多いのではないかと思います。しかし、その反応は時と場合による。故にガイドラインを作るのは難しいと思うのです。

ですから、
この回答は、質問の意味がわかっていないでしょう。なのに、なぜわかった前提で質問続けているの?

といった形で、会社として面接官側を評価することが、広くその場にいなかった人にも可能になるのだと思います。

さて、ほとんどまとまっていないのですが、ざっくりと備忘録として書いておきました。
今後、研究としても重要だと思います(お前はもっと今やるべきことをやれと多方面から言われそうです)。
少なくとも、実践的には考えるべきポイントが多いのかなと思っています。

参考文献
HRNOTE Web面接録画の活用方法とは|面接の振り返りだけではなく、面接官育成にも
https://hrnote.jp/contents/b-contents-menseturokuga-190129/

労政時報 面接担当者の育成のために、応募者に無断で採用面接試験を録音することは問題か
https://www.law-pro.jp/pdf/news20160910.pdf

The Oxford Handbook of Recruitment
https://www.amazon.co.jp/dp/0199756090/

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この記事を書いた人

産業能率大学情報マネジメント学部 准教授 橋本諭(はしもと さとし)。
研究テーマは、ソーシャルビジネス、人材育成を扱っています。

橋本 諭

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