分かりやすい説明って何なんだ? ILIOS説明動画を作成して

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はじめに

 私は、ゼミで行った「ILIOS」というゲームの”ゲーム説明”を作成しました。作成した理由は、ゲーム説明として参加者の方に分かりやすくゲームのルールを知っていただくことや雰囲気作りです。また、毎回ディーラーがすべて説明するのは負担がかかるので、確実性のある動画でルールを説明した方がいいだろうという意見からです。

当初作成したもの

結果

 この動画をたくさんの参加者の方に見ていただいて、言われたのは単純に「わからない」というものでした。
 私含め、ゼミにいる人、つまりルールをすでに理解している人にとっては理解できる動画でしたが、ルールを全く知らない人にとっては理解できない「わかったようで分からない」というものでした。結局、デモプレイのような練習を一度行わないとゲームが成り立ちませんでした。

分かりやすい説明って何なんだ

 瑞木祭終了後、参加者の人に何で分かりにくかったのか理由をちゃんと聞いてみました。
 一番多かった答えが「イメージしにくい」「どう話し合えばいいか分からない」という答えでした。なので私は、「人に分かりやすい、伝わりやすい説明って何だろう」という点で疑問に思ったので、「プレゼンテーション・パターン 創造を誘発する表現のヒント」という本を読みました。ゲームの戦術を参加者自ら見つけて欲しいという意図も持ってこの動画を作っていたので、この本を読めば今の問題を解決させるヒントがあると思い、この本に決めました。

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 この本はプレゼンテーションの目的を「情報は伝達することと捉えるのはやめて創造の手助けをする」(井庭崇,2013)こととし、聴き手に創造させるプレゼンテーションの仕方が述べられいる本でした。この井庭先生が示している「創造」は「想像(イメージ)」とは違い、頭の中で自ら新たなものを生み出す行為のことを指しています。聴き手が自分なりの発想や発見をするためには、聴き手が創造しやすい聴き手自身の知識、経験に結びつけることができれば創造につながる。つまり、この本では聴き手に情報を伝えるのではなく、情報から新たなアイディアを”創造させる”説明がゲームをする聴き手にとって良い伝達方法だということがわかりました。

動画への反映、結論

 まず「説明を100%理解してもらおう」という作り方は情報がどうしても多くなり見にくくなってしまうと思い、より簡潔にかつシンプルに変更することにしました。
 さらに、1度やらないと分かりにくかった戦術面を井庭先生の本を参考に図形を利用したり、演出など変更を行い、自分たちオリジナルの立ち振る舞い、戦術を生み出すつまり「創造」を誘発するような内容にしました。しかし、創造を誘発するということを狙いを持って実施することはできませんでした。

 なぜならば、まず今回の調査で分かった「分かりやすい説明」、「創造を誘発する説明」は聴き手の知識や経験に結びつけた説明。つまり私は”例えば”という言葉を利用した説明がそれに当たるものだと考えました。しかし、このゲーム説明は一人一人の知識、経験に結びつけることができる”例えば”を使った説明をすることが今の私の知識では実施できなかったのです。これからさらに勉強を重ね、動画での”例えば”の使い方。また別の技を見つけていきたいと思います。

 今回の反省、調査をもとにゲーム説明の動画がこちらです。
 よろしければこちらもご覧になってみて、意見などをいただけると嬉しいです。

参考文献
井庭崇、井庭研究室(2013)『プレゼンテーション・パターン 創造を誘発する表現のヒント』慶應義塾大学出版会

執筆:橋本ゼミ4期生 池田拓矢

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