PRの本当の意味を知っていますか?

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こんにちは。広報班です。我々広報班は、橋本ゼミの活動を瑞木祭で発表するにあたり、今まで行ってきた活動を世の中に向けてPRしてきました。なぜPRを行ったかというと、私たちが瑞木祭に向けて行ってきた活動をより多くの人たちに発信し、興味や関心を持ってもらい、瑞木祭に来場してもらいたかったからです。

PRの意味

このPRとは、「Public relations」の略語です。これは「パブリックとの良好な関係性をつくる、維持する」という意味になります。次に専門的なPRの定義によれば、3つに分かれています。

「広報・PR論~パブリック・リレーションズの理論と実際」によると、まず一つ目の定義は組織体の活動であることです。個人同士の関係性について個人が行う活動を指しているのではなく、企業などの組織体同士がその関係性を作り出したり、維持したりする活動を指しています。この組織体には、企業や行政、学校、病院、NGOなどの非営利団体、部活やサークルなどのあらゆる組織が含まれます。

定義の二つ目は、組織体とパブリック(大衆)の双方における「相互理解」「相互利益」を前提としていることです。その活動の主体だけが利益を得たり、得をしたりということではなく、その対象となるパブリックにとっても利益や得をもたらし、結果的に社会全体としてメリットが得られるということを前提としています。このため、双方向のコミュニケーションや相互理解を前提としているし、そこに関わる人の倫理性が強調されることとなります。

最後に三つ目はその良好な関係性を構築する、維持するという長期的な視座を持っていることです。組織とステークホルダー(利害関係者)の関係には「良好な関係」もあれば「敵対的な関係」もあり、「無関係」という状態もあります。ですが組織が円滑に活動するためには、「無関係」「敵対的な関係」から新たに良好な関係性を構築すること、「良好な関係」がたんに一時的なもので終わることはなく、持続可能なものとして関係性を維持し続けること、また組織にとって危機や問題が生じてステークホルダーとの関係性が悪化しても、それらの問題点を解決して関係性を維持すること、これらが必要なのです。

また、パブリックリレーションズは、広報部や広報課などの業務とは限らず、組織を運営するうえでステークホルダーとの関係性を構築して維持することに関わる、あらゆる業務が含まれます。いうならば組織の活動全般が関わってきます。

自分たちの活動との比較

そこで今回比べたいのは私たちが瑞木祭で行ってきたPR活動です。
橋本ゼミでは、10年後の未来に待ち受けている人工知能の脅威やネットワークが発達した社会で起こる問題などを把握し、21世紀に必要なスキルとは何か、情熱を抱ける分野を身に付け、実行に移すことを目的としていました。私たち広報班は、10年後の未来には知識を身に付けるために、「ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>」という本をメンバー間で輪読し、記事を作成しました。

私たちのブログ記事は、広報のメンバー間で二人一組になってインタビュー記事を作成するというものでした。インタビュー記事にした理由は、広報班の活動をして間もないので、メンバー間のコミュニケーションをとるということが一つの目的です。また、インタビューをすることで、相手の読んだ章をより深く理解することができます。人によってその章の解釈は異なるので、その中で互いの意見を言い合うことで、多様性のある議論を重ねながら、記事を作成することができます。

その際にインタビューをする前に相手の読んだ章をある程度理解する必要があります。インタビューの難しさは、ある程度記事の流れを把握しなければならいことと、質問内容を広げておく必要があることです。それによって、インタビューしている際に、会話が途切れることなく進めることができるため、相手のモチベーションを高めることができ、質の高いインタビュー記事作成につながります。

連載記事を書くことにした理由は、広報班の人数が多くいたので連載記事にすることで個性を活かした文章が出来上がるのではないかと思ったからです。また、連載記事には一貫性が必要です。そのため、はじめに輪読を行い、広報のメンバー間で情報を共有することで記事に一貫性を持たせるようにしました。

これらから、PRの定義と今回の私たちの活動を比較して考えてみようと思います。まず、定義の一つ目である組織体の活動であることはクリアしています。

次に二つ目の定義、組織体とパブリックの双方における「相互理解」「相互利益」についてですが、今回、私たちは全くできていませんでした。そもそも「相互理解」や「相互利益」が必要ということすら誰一人知らなかったからです。その結果、自分たちの利益ばかりを追い求め、それを見て来場してくれる人の利益など万に一つも考えられていない状態で活動してしまいました。

そして三つ目の定義、良好な関係を構築し、維持するという長期的な視座を持っていることに関しては、二つ目の定義が達成されていない以上できるわけもありませんでした。良好な関係を作ろうと動くどころかこちら側からの一方通行でしかありませんでした。

今後に向けて

これらを解決していく手段の第一歩として、まず活動をしている私たち自身がPRとはなにかを認識し、共有することが必要だと考えます。共有したあとは相互を理解し利益を与えあう関係になることです。まず今回の21世紀型スキルの話を例にすると、その分野に興味を持つ人がどのような年代で、何が趣味なのかなどのようなことを想像し、ブログを読んでくれる人がどんな人なのかを考えます。

その次に、今回私たちが行ってきたようなブログ記事の作成をPRするとはどういうことなのかを理解しながら行い、こちら側の情報や、やろうとしていることを発信します。ここにお互いが得を得ることができる、つまり私たち側からはブログ閲覧数と瑞木祭の来場者数が伸びること、受け取る側からはブログを読み、瑞木祭に来ることで何か得られるものがあることの利益が生まれれば、定義の二つ目はクリアとなります。

この何か得られるものというのは、新たな知識や興味・関心、楽しさなど、どんなに些細なことでも読んだり来たりして良かったと思ってもらえることならなんでもいいのです。そしてそこで生まれた関係性をブログなどのネットや口コミなどによってより広範囲に広げ、さらに維持しようとする試みが行えるようになると定義の三つ目もクリアすることができ、本当の広報の役割を担うことができると考えました。

つまりPRとは、組織体のステークホルダーとの関係をいかにして構築し、それを維持・広めていくのかという活動です。そのため広報の人たちだけ頑張ればいいでしょといった考えの人が組織内に一人でもいるとすれば、PRは失敗に終わるでしょう。組織体と関わっているすべての人たちがステークホルダーとなり得るのだから、あくまで広報部は中心となってPRを行っていくだけで、組織体全体でPRは行っていくべきものなのです。

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参考文献
「広報・PR論~パブリック・リレーションズの理論と実際」伊吹勇亮、川北眞紀子、北見幸一、関谷直也、薗部靖史
写真引用元
「PAKUTASO」https://www.pakutaso.com/20130836240post-3216.html

執筆:橋本ゼミ4期生 櫻井 佳輔、柴田 隆裕、高田 魁莉、本田 敦也

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この記事を書いた人
橋本ゼミ生

産業能率大学情報マネジメント学部橋本ゼミに所属するゼミ生です。

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