2014年瑞木祭の振り返り リフレクションのための実践

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 2014年11月8日、9日と学祭瑞木祭が終了しました。橋本研究室では、体験型ゲームとして「奪われたCCを取り返せ-アノ伝説ノ妖怪ヲ調査セヨ-」を実施しました。

 このゲームは、スクラップ社のリアル脱出ゲームを初めとするリアルゲームや体験型ゲームと呼ばれるジャンルに属します。橋本ゼミでも、2年前の「別れの教室」や、昨年の「みらい郵便」を開発してきました。

 今年の特徴は、「クリエイティブコンフィデンス」というキーワードを掲げ、ゲームに参加するとクリエイティブコンフィデンスとは何か?を学べる内容になっていました。目指していたのは、ゲームの分野の用語を使えばシリアスゲームです。

 さて、今回の学祭においては、まずはゲームを作成、実施する事が第一義の目的ですが、それと同じ位、いやそれ以上に重要なのは、振り返りです。楽しかったとか、ダメだったとかいう浅いものではなく、それぞれが体験した事、行ってきたことを真剣に振り返り、私たちがやってきた事は何だったのか? それは他の方々から見たときにどんな意味があるのか? 何か貢献できることはあるのか? を考え、文章にまとめます。そして、その内容を公開する事にあります。要するに、このブログに研究結果をまとめるということです。

 例えば、以下のような内容がこの後出てくるはずです。

ストーリーの作成について(REAL班)

 今回は、クリエイティブコンフィデンスについて、「クリエイティブマインドセット」を参考図書として、その中で言及されている「デザイン思考」や「やればできる!の研究」などの背景となる理論や考え方をゲームのストーリーの中に織り込んでいます。具体的には、解くべき謎のひとつとして取り入れています。

 たとえば、デザイン思考については「デザイン思考とは、こういうものだ」という知識を得るのではなく、「デザイン思考で示されている行動とは、今皆さんがしたことですよ」というリフレクションにつなげるような内容にしています。つまり、自然と体験してもらっているという状態を作る事を目指しました。具体的には、以下の動画のようなアクティビティを仕掛ける事により、自然と「プロトタイプ&リファイン」を体験できるようにしました。

 その他にも、キャロル・ドュエックが言う「こちこちマインドセット」な人を「しなやかマインドセット」にするための謎を用意したりしています。その他、クリエイティブマインドセットの中では言及されていませんが、創造性に対する全く別方面の内容として、「Quiet」という内向型の人間についても謎を入れています。

 これらの謎をどのようにストーリーの中に組み込んでいったのか? についてまとめる必要があります。きっと、4つの謎を用意していますので、それぞれ一本ずつ位、記事になると思われます。

リフレクションビデオ

 今回は、私たちの得意技となっているリフレクションビデオの実践も行っています。約40分間の中でリフレクションビデオを作成しました。かなり、スピード感が求められるものです。そして、謎を解くという活動において、何を撮し、それはどんな意味があるのか? についてはもちろんですが、それ以外にもストーリーの一部として埋め込む事も行っています。

 これまで、リフレクションビデオは、ワークショップの最後になぜか突然流れてきます。極端に言えば、「見ろ!」といってきた訳です。ある意味、押しつけてきた感があったわけですが、それに対する一つの対応策を立てました。それがストーリーに埋め込むということです。その点についてもまとめてくれるでしょう。

世界観の作成(クリエイティブディレクション班)

 会場については、教室という環境を夏祭りの縁日の世界観に変化させました。もちろん、ほとんどお金は掛けられませんので、主に100円ショップやホームセンターで手に入るようなものを使い、世界観を表現していきました。ただ、夏祭りの縁日を作成するという訳ではありません。そこで、クリエイティブコンフィデンスに繋がるものや、体験型ゲームを進めるためのヒントを得られるようになっていました。そういった仕掛けについて、どういった意図を持って進めたのかが記事になると思います。

 たとえば、場づくりについては、学習環境デザインの分野が参考になっています。ただの空間ではなく、何らかの学習プログラムを埋め込んだ空間デザインを行っています。他にも、フライヤーの作成、ゼミパーカーの作成についても記事になる予定です。

プロモーション活動 (広報班)

 今回は、FBページを使ったプロモーション、特設サイトを使ったプロモーションなどを行いました。それぞれ、アクセス解析の結果などを元に、どういった活動となったのかを振り返りたいと考えています。

 

 以上のような活動について、学生が行います。ご興味があられる内容があれば、是非ご覧頂きまして、フィードバックを頂けると大変ありがたく思います。

個人的な振り返り

 今回、学祭では上記のようなクリエイティブコンフィデンスに関する内容も行いましたが、その他にも4年生の卒業論文の中間発表も行いました。様々なフィードバックを頂き、私自身がもっともっとたくさんの知識をアップデートしなければならない事を痛感しています。

 そして、個人的にひとつ目標を掲げていました。その点については、疑うことなく失敗しました。自分自身、しっかりとしたチャレンジはしたと胸を張れるとは思いますが、それでも失敗は失敗です。具体的に何かを公開することはしませんが、学生達には伝え、失敗したと述べました。

 もちろん、失敗したまま終わる訳にはいきません。失敗したからこそ得られる事を大事にして、次に向かっていきたいと思っています。私自身もまだまだ、始まったばかりなのです。

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この記事を書いた人

産業能率大学情報マネジメント学部 准教授 橋本諭(はしもと さとし)。
研究テーマは、ソーシャルビジネス、人材育成を扱っています。

橋本 諭

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