実力の差が格差を生む!?実力主義の世界へ

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こんにちは!広報班の櫻井佳輔です。先日、車で富士五合目へ行きました。標高2400mくらいのところです。雲が下にあるという日々の生活にはない景色と既に色づき始めている紅葉を一緒に楽しめる場所でした。

前回は、『孤独にさいなまれる未来』についての記事でした。
今回は第3章『繁栄から締め出される未来』についてです。この章では2025年に起こると言われている、世界で広がる格差について書かれています。これまではどの国に生まれるかによって経済的な成功の見込みはある程度決まっていました。しかし未来では、生まれた場所が経済的な運命を決める要素ではなくなるそうです。先進国でもこのような状況に陥り、未来から放り出されてしまう人が出てくるといいます。
連載記事3回目の今回は、音楽同好会でドラムを担当している4期生の高田君にインタビューを行いました。他国間だけでなく、同じ国の中で競争が激化する世界に私たちはどう対応していけば良いのでしょうか?

グローバル化によって格差の基準が変わる!?

―こんにちは!高田君今日はよろしくお願いします。早速ですが、この章では2025年はどのような世界になると書かれていますか?
高田君:よろしくお願いします。2025年の世界では急速なグローバル化に伴って世界が一体化していきます。そうなると先進国も発展途上国も関係なく実力のある人が地球にいる何十億人の人々と競争しなければならなくなり、結果として能力の違いが格差を広げ、人々の不安を強めていきそうです。

―なぜグローバル化が急速に進んでいるのでしょうか?
高田君:インターネットなどの発達による情報通信技術の発達、移動の容易化、市場の国際的な出入りの自由が挙げられます。そのため、他国間での情報共有が簡単に行われるようになっているからだと思います。

―複数の要因がグローバル化につながることが分かりました。競争の激化により、どのような格差が生まれるのですか?
高田君:聡明な頭脳と強い意欲を持っている人とそうでない人で、収入の差が生まれます。アメリカでは、所得最上位20%の層の平均所得が最下位20%の層の9倍に達しています。このまま格差が拡大し続ければ少数の人だけが莫大な富を独占する社会が現れてしまう。

―格差が拡大すると、今とどう変わっていくのでしょうか?
高田君:最初にも言いましたが、社会全体の不安が強まります。成功している人との格差が大きいほど自尊心は傷つけられ、劣等感を強めてしまいます。
また、何を持っていて、何を消費しているかを基準に人間を評価する傾向が強まると考えられています。お金のない人はブランド品に手が届かないので安いものしか買えない。結果として二流の人間とみなされやすいのです。

―身に付けるモノで社会的地位などを勝手に判断されるのであれば外出の際は今より気を遣う必要がありそうです。では、この第4章のターゲットは誰だと思いますか?私は21世紀型スキルを未来に伝えてもらうためにも親をターゲットにしていると思いましたが。
高田君:この章のターゲットは特に学生だと思います。2025年の未来で活躍するはずの今の学生自身に未来の世界について理解を深めるべきだと感じたので。成功する可能性が大いにある今の学生達に是非読んでもらいたいです。

格差のある厳しい社会で生き抜くために

―今後、経済格差があっても、グローバル化が進むことにより平等に仕事が出来る時代がくるということですが、それと『繁栄から締め出される未来』との関係性は何ですか?
高田君:平等に働ける世界ということは、能力により働ける人と働けない人の差が出てくると思います。これが収入に大きな差を生む原因だと思います。そのため2025年の世界では、繁栄から締め出されてしまう人が出てきてしまうのではないでしょうか。

―では、経済的繁栄に締め出されないために重要なことは何ですか?
高田君:締め出されないためには、自分と同じような考え方と専門技能・能力の持ち主で集まり、豊かな生活を期待できそうな土地へ移り住むことや、景気の良かった時代に生活資金を十分に蓄えておくことが重要になります。加えて、未来では生まれた場所等は関係なく、才能とやる気と人脈の3つが経済的な運命を決めると言われています。

―初めは第一のシフトですよね。しかし、才能とやる気と人脈の3点は初めて出てきましたが、どういうことでしょうか?
高田君:まずやる気についてですが、2025年の世界では生まれた場所による優越の差はなくなっていきます。そのため、どこで生まれてもその人のやる気次第で成功することができるのです。そのため、強い意欲と聡明な頭脳を身に付ける事、更に才能があればより良いということです。そして、最後に人脈ですが、グローバル化する社会においてどれだけ繋がりが持てるのかが重要になるのではないかと考えます。

―ではそんな未来では一体何が必要なのでしょうか?
高田君:暗い未来のシナリオを書き換えるためには、様々なことを試して対抗策を取ることが必要となります。そこで厳しい選択をし、新たな能力を身に付けることが不可欠だと思います。

―対抗策とは具体的にどんなものですか?
高田君:ネットを通じて共同行動を行うことが格段に増えるため、どれだけ世界中の人とネットワーク内で繋がりを持てるかが重要になります。今まではそのような事はあまり考えなくて良かったと思うのですが、これからはそれが新しく必要な能力になってくると思います。

―世界の人と関わるためにTwitterやFacebook等のSNSを利用することは一つのツールとして利用されています。しかし、他国の人や会ったことがない人と関わりを持つのは難しく、危険性も伴うので今後の課題になると思いました。では、最後の質問ですが高田君自身が第4章を読んだ中で考える「21世紀型スキル」を一言でお願いします。

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高田君:第4章を読み、必要だと感じたことは未来に価値を持つ専門技能と能力を持つことだと感じました。今後機械やロボットがより進歩していき、人はどんどん職を失っていく可能性があります。そんな中で他の人にはない技術や能力を持っていれば、それだけで他者との差別化ができ、経済的な繁栄から締め出されるリスクが軽減されるのではないかと考えました。

私はインタビューを終えて、収入に加えて能力にも格差を生む社会に対して恐さを感じました。仕事中も格差を意識し、仕事に不安を感じながらの生活になれば気持ちに余裕を持つことが難しくなります。改めて相談できるような家族や友人の存在がいかに大切であるかを考えさせられるインタビューになりました。

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次回は第5章「コ・クリエーションの未来」です。コ・クリエーションとは協働して新たな価値を創造することです。コ・クリエーションは現在より私たちに今後の私達にどのように関係してくるのでしょうか。次回もご覧ください!

橋本ゼミ4期生 櫻井佳輔

【参考文献】
著者:リンダ・グラットン(2012)『WORKSHIFT ワーク・シフト 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』株式会社プレジデント社

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この記事を書いた人
橋本ゼミ生

産業能率大学情報マネジメント学部橋本ゼミに所属するゼミ生です。

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