面接「笑゜」(めんせつワークショップ)

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■面接(笑゜)とは何か?

面接ワークショップは、6人〜20人くらいの参加者で行うワークショップです。参加者が面接者と被面接者に分かれて「模擬面接」を行います。しかし、普通の模擬面接ではありません。
この模擬面接では、ワークショップ内で作成した質問を用います。そして、その質問とは、事前のペアワークで作成する「相手の良さが一番出ると思われる質問」なのです。つまり、その模擬面接では、自分の良さが引き出されるような質問が出てくることになるわけです。シュートをうってくださいというような絶妙なパスが飛んでくるのです。
なお、そこにちょっとしたスパイスを加えます。模擬面接では質問はシャッフルして行います。つまり、どの質問が出てくるかはわかりません。誰かの良さを引き出す質問に混じり、あなたの良さを引き出す質問が出てくるかも知れません。

自分の良さがでる面接を実施したとき、あなたは何を思うでしょうか? そして、ペアワークのパートナーが作った質問に気付く事はできるでしょうか。また、あなたが作成したパートナーの良さを引き出す質問は、相手に届くでしょうか? 気軽に笑いながら、でも真剣に行えるワークショップです。

面接ワークショップの概要と進め方

このワークショップは、大きく4つの流れになっています。

イントロダクションでは、ワークショップの内容と進め方を説明します。アイスブレイク的なアクティビティを入れて、参加者が温まった状態にできると良いでしょう。

次の相手の良い所を引き出す質問作成は、ペアワークです。ランダムにペアを組んでください。なお、社会人と学生が混じる場合には、社会人と学生をペアにすると良いでしょう。また、見ず知らずの人同士の時は緊張感が、よく知っている同士では少しの気恥ずかしさがあり、どちらも良いと思いますので、臨機応変にしてください。ペアワークでは、雑談の中から相手の魅力を聞き出し、その良さが引き出されるような「面接における質問」を作成します。

模擬面接では、作成した質問をもとに面接をします。参加者の中から4人程度被面接者になってもらい、また数名面接者になってもらい、模擬面接を行います。残りの人は通常の面接ではあり得ない「観客」になってもらいます。最後に種明かし&リフレクションでは、ペアワークの際に作成した質問の意図について互いに話をしてもらう流れになっています。

開始前の注意事項

1)参加者6名以上の偶数人数集めてください。
グループ面接形式の模擬面接を行いますので、6人以上が望ましいです。すごく緊張してしまう人には、観客となってもらう事で気楽に参加してもらう事ができるでしょう。

2)主催者側が複数居た場合
主催者側が複数いる場合は、その中から司会進行役・面接官を選別しておきます。
司会進行役・・・ファシリテーターです。
面接官  ・・・面接実践の際の面接官役です。ペアワークの中で作成された質問を被面接者に読み上げる人です。

本当の面接の雰囲気を出すために、メガネをかけたり、体重を前にして相手に質問したりと、自分が面接でされたら緊張するなという事をやってみると、より実際の面接に近くなると思います。
知っている人同士で行うと、少しだらけた雰囲気になってしまったりします。あくまでマジメにやることが、大切です。

3)質問カード・メモ用紙を作成する。
主催者は、あらかじめ質問カード・メモ用紙を作成しておいてください。質問カードは、ペアワークの際にお互いの良いところを引き出すためのgood質問を書く際に使います。メモ用紙は、ペアワークで会話をしている際に話の内容をメモするときに使います。

イントロダクション

以下のような説明を行っています。

?説明文?
今回のワークショップは、面接という特殊な環境にポジティブなペアワークを導入したものになっています。早速質問ですが、皆様は面接にどういったイメージをもっていますか?
大半の学生の方は、なんだか怖いという印象を持っているのではないでしょうか。また社会人の方は、そういった場に慣れている方が多いのではないでしょうか。
そんな社会人の方は反対にどの人を会社に入れようかという視点に変わるわけですが、その方法として「面接」という場が、相手を知るための手段としてどのような役割を果たしているかについて触れる機会が少ないのではないでしょうか?(参加者が学生のみ、あるいは社会人のみであれば随時変更して惹き付ける文を魅力的に伝えて下さい)
そこで今回のワークショップを行うことで、当たり前にして来た面接の流れに少し違った視点から覗いてみることをしていこうと思います。

1)ペアワークの説明

ここでは、互いにインタビューを行い、限られた時間の中で相手の魅力を最大限に引き出せるような「面接における最高の質問」を作成して頂きます。

ペアワークをやる時に注意していただきたいことは、なるべくはペアワークの相手役になる方が、一方が学生なら社会人の方と(社会人の方同士でも可)、学生同士のペアにならないように進めていってください。これは、相手の対照を自分とは年齢の離れた方と会話をするためです。
また時間を20分と設定していますが、その中に参加者が質問カードに記入する時間を含めても含めなくても構いません。含める場合は3分前になったら、「質問カードに記入してください」と一言伝えておくとスムーズに進めることが出来るでしょう。知らない人同士で、話が行き詰っているなと感じたら、主催者側の人がアプローチしてあげられると、活気が生まれてより良い会話ができると思います。

ペアワークでは、相手の良いところを引き出せる、相手にとっては素晴らしいパスとなるgood質問を考えていただきます。その人の経験であったり、頑張っていることを自由に聞き出してみましょう。この自由な会話によって引き出された相手の良いところから、それを発揮できる最高のパスとなる質問を考えてみましょう。

例:「今までの経験によって得られたことはなんですか?」
→毎日ゼミ活動に打ち込んでいて、協調性を得た!を引き出す質問として)

このような質問を作り出すために、積極的に相手の良いところを引き出して行きましょう。そして、引き出して作ったgood質問をお配りした質問カードに一問のみ記入して下さい。

2)面接実施(15分)
ペアワークが終わったら、次に模擬面接を実施します。

続きまして、ペアワークで作成した質問カードを回収し、面接を行います。
今回はグループ面接の形で行います。被面接者を4人程度選んでください。主催者が面接者になっても良いですし、参加者から選んでもOKです。
面接者に選ばれなかった方は、普段見られない面接を観客となってご覧になって下さい。

この面接を実施する際に個々で留意していただきたい点は、面接で読み上げられた質問が果たしてその人に向けられた質問なのかどうかを考えながらご覧ください。

注意点を何点か挙げたいと思います。
まず、面接という場を与えられた空間で作り上げなければならないので、空想のドアを設定し、入室するところからやってもらいます。(「トントン、失礼します。」と声に発していただけるといいでしょう)主催者側は被面接者のために作られた質問をなるべく読み上げるようにしてあげられればよりリフレクションが効果的です。

3)種明かし&リフレクション(15分)

最後に参加者に種明かしとリフレクションを行ってもらいます。その際のポイントとして、面接がどうしても緊張感のある雰囲気となりますので、リラックスした雰囲気を心がけてください。質問カードを返却しながら、場の雰囲気を和らげるのも主催者にとっては大切です。

質問カードは、その際、誰がどんな質問を作ったのががわかるように読み上げながら返却してください。

 「どうでしたか?自分に向けられた質問はあったと思いますか?(など感想を軽く聞く。)」という前振りをしても良いでしょう。
それでは、先程皆様に書いていただいた、質問カードを返却します。質問を読まれた方は手を上げてください。その際、誰が書いた質問なのか考えてみましょう。

いかかでしたでしょうか。相手の良いところを引き出すことはできましたか。相手にナイスパスを送ることができましたか。
このワークショップで皆様に体験していただきたかったのは、相手に自分の質問は届いたのか、その質問に自分は応えられたのか、実際の面接の場でもこのようなことが起きていると思います。

もしかしたら、面接官があなたに対して素晴らしいパスを出していると思っていても、そのパスを受け取れないかも知れません。また、よかれと思った質問が、逆に相手を苦しめているかも知れません。
そこで先程のペアに戻ってどういった意図でその質問を作成したのか、ペアワークによりどんな事に気付きがあったのかを話し合ってもらいます。

なお、最後に自分の書いた質問カードに、自分の名前を書いて相手にプレゼントしあいましょう。

実施結果はこちら

http://www.hashimoto-lab.com/2013/09/3186
面接ワークショップの実施報告

執筆者および開発者

橋本研究室 2年 伊藤、加藤、尾崎
橋本 諭

開発者
橋本研究室&橋本諭

実施について

本ワークショップの利用は、ご自由に行ってください。
なお、利用に際しては、「橋本研究室&橋本諭」が作成したことを明示すると同時に、以下のURLを示してください。
https://www.hashimoto-lab.com/

今後の改良に向けて、感想を教えていただけますと幸いです。

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この記事を書いた人

産業能率大学情報マネジメント学部 准教授 橋本諭(はしもと さとし)。
研究テーマは、ソーシャルビジネス、人材育成を扱っています。

橋本 諭

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