2022年度橋本ゼミ9期生卒業論文

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2022年度橋本ゼミ9期生の卒業論文が完成しました。過去最も多い論文数になり、結果的に最も厚い100Pを超える論文集になりました(節約のため、レイアウト編集し1ページの文字数2000以上にしています)。

なんとなくですが、これまでのゼミで積み重ねてきたものの一つの到達点であり、新たなスタートの一歩になっているのではと感じています。

簡単に紹介いたします。

Weの範囲を広げる

橋本ゼミでは、「しなやかなソーシャルイノベーションの実現」をテーマに活動を行っていますが、論文にあたっては、「Weの範囲を広げる」ことを目標にしました。

これは、社会課題などを考える際に、「I=自分」だけではなく、自分に近いと思う他者にとって良いことをしよう。また、社会的に課題だからといってYouやTheyのような自分ごとではないテーマは避けよう。そして、ゼミ全体として他者の研究を知ることで、結果として自分自身がWeだと思う範囲を広げることを目指しました。

それぞれの問題意識に基づいた卒業論文が出来上がり、結果としてゼミ全体としてのWeの範囲を大きく広げることができたと思っています。

一覧

趣味における「認められる、認められない」の差に関する考察―陸上競技とマラソンを比較して―
五十嵐 一喜

VALORANTが国内の流行を掴んだ原因の考察
石川 太晴

リゾート地におけるワーケーションの現状に関する考察 沖縄県での1ヵ月間における実態調査をもとに
伊藤 太一

ボランティア活動者の参加動機と目的意識の関係の研究 ~アダム・グラントによる理論的分類を用いた意味解釈~
大貫 想太

見た目が日本人に見える外国にルーツを持つ人の生きづらさの研究 ~人種的差別・人種偏見・アイデンティティ~
小林 大介

地元への就職の複合的要因 ―長野県を事例として―
権田凌

eスポーツは「スポーツ」なのか、プレイヤー視点からの考察
杉田 大翔

ローカルメディアの運営における困難な状況の検討と改善 ―継続困難なメディア運営の実践的研究―
曽根原 世那 人見 啓太

男性の化粧に関する多角的検討 ‐2010年代から2020年代に着目して‐
森泉 寛之

長期間同一劇団で活動する劇団員の職業観・活動意義に関する考察 ―湘南テアトロ☆デラルテを題材に―
柳田 愛美里

福島県の女子高生の大学進学を取り巻く環境 ―大学進学を狭める環境―
渡辺 悠太

趣味における「認められる、認められない」の差に関する考察―陸上競技とマラソンを比較して―

五十嵐論文は、陸上競技を趣味としている筆者自身が趣味を尋ねられた際に「それって趣味なの?」と認められづらいと感じた経験からスタートしています。

同じ走るという競技でありながら、一方で認められやすいと感じるマラソンとの違いを、様々な角度から分析し、「趣味」の社会的に構築されている様を考察しています。

VALORANTが国内の流行を掴んだ原因の考察

石川論文は、eスポーツ後進国と呼ばれる日本において、世界的な流行と同時期に流行しているタイトルについて、その理由を考察しています。

動画メディアによる配信、ゲームバランス、社会環境的な要因などなど、ゲームだけではない要因から迫っています。

リゾート地におけるワーケーションの現状に関する考察 沖縄県での1ヵ月間における実態調査をもとに

伊藤論文は、ワーケーションに興味を持った筆者が、実際にワーケーション的な活動を行った結果に基づき、ワーケーションの現状を考察しています。

実際に、「行ってみて」、「体験してみた」からこそわかる内容になっています。統計データは、取得時期に時間的なズレがあるため、「少し前はそうだった」が「今は違う」ことへの言及が、変化の只中にあることがよくわかる内容になっています。

ボランティア活動者の参加動機と目的意識の関係の研究 ~アダム・グラントによる理論的分類を用いた意味解釈~

大貫論文は、ボランティア参加者はなぜボランティアに参加するのだろうか?という素朴な疑問からスタートしています。

筆者自身は当初共感ができなかったからこそ、疑問に思い、調べ、聞き、考察しています。その結果、自分自身を問い直す再帰的な結論はとても興味深いものです。

見た目が日本人に見える外国にルーツを持つ人の生きづらさの研究 ~人種的差別・人種偏見・アイデンティティ~

小林論文は、見た目が日本人に見える外国にルーツを持つ人に着目した論文です。見た目が日本人に見えるからこそ、外見から外国人だと見える人とは違った形で、偏見や差別が現れる様子が当事者の言葉で綴られています。

全て仮名ではありますが、筆者でしか聞けない(話してくれない)内容のインタビュー記録は、読んでいて自分の無知を恥じる内容でした。

地元への就職の複合的要因 ―長野県を事例として―

権田論文は、大学で地元を離れ、卒業後地元で働く人たちの理由に着目しています。

結論的には、「理由は色々だ」となりますが、各種アンケート調査などでは選択肢の間や、「その他」に入ってしまうだろう理由と、その人にとっての必然性に驚く内容です。

eスポーツは「スポーツ」なのか、プレイヤー視点からの考察

杉田論文は、eスポーツのスポーツ性に迫った論文です。外野ではなく、プレイヤーはどう思っているのかに迫っています。

練習、チーム戦術などの観点から、現状のeスポーツがいかにスポーツ性を持っているのかを考察している点がとても興味深い内容です。

ローカルメディアの運営における困難な状況の検討と改善 ―継続困難なメディア運営の実践的研究―

曽根原・人見論文は、ローカルメディアの運営の困難さに焦点を当てた論文です。ローカルメディアは、スタートのハードルが低く、また、一見華やかに見えることなどからスタートするものは多いが、継続するものがなくないという問題意識から、自分達の経験を踏まえて考察しています。

当事者ならではの紆余曲折を、〇〇が△△だったからといった個人の事由に帰結させず分析をおこなっています。

男性の化粧に関する多角的検討 ‐2010年代から2020年代に着目して‐

森泉論文は、男性の化粧行動に着目し、社会的にどのように受容されていっているのかを分析しています。

男性ファッション雑誌を題材として、どう言った表現がされているのか、その表象をもとに化粧に対する社会的な変化を分析しています。化粧に無知であった自分は、説明を聞き、改めて雑誌を見ると、「確かに」と思う点が多くありました。

長期間同一劇団で活動する劇団員の職業観・活動意義に関する考察 ―湘南テアトロ☆デラルテを題材に―

柳田論文は、演劇を行う劇団員の職業観と、それが社会的な「見られ方」の影響を強く受けている様を分析しています。

改めて、「仕事」とは何か? 何を持って私たちは「仕事」というのか、言えるのかについて、深く考えさせられる内容になっています。

福島県の女子高生の大学進学を取り巻く環境 ―大学進学を狭める環境―

渡辺論文は、出身地である福島県の高校生の進路について研究をおこなっています。自身の経験から、選択肢が狭いのではないかという問題意識を持ち、統計データによる分析、インタビュー調査による分析をおこなっています。

他の東北地方の県と比較を行うことで、福島を取り巻く現状の課題の一端が見えてきました。

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この記事を書いた人

産業能率大学情報マネジメント学部 准教授 橋本諭(はしもと さとし)。
研究テーマは、ソーシャルビジネス、人材育成を扱っています。

橋本 諭

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