「消費者から生産者へ~移り変わる過程の考察と展望〜」

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消費:消費とは、欲求を満たす為に財・サービス(商品)を摩耗することを指す。資源を使用することでもある。生産の反意語である。

生産:人間の経済活動の主要な活動であり、土地や原材料などから人間の何らかのニーズを満たす物材(商品)を作る行為、またはそのプロセスを指す。消費の対義語である。(Wikipediaより)

*この図は、この分の中に登場するキーワードを座標図に表したものである。

消費は誰しもが毎日しているものである。しかし、生産はしているだろうか?

私は今、産業能率大学情報マネジメント学部の橋本ゼミと言うところで、「NPO法人結の樹よってけし」で農業体験イベントの企画立案と当日運営などに関わらせていただいている。その中の、2019年12月7日に行ったイベントに消費と生産を結び付けて話したいと思う。

今回のイベントは、たくあんづくり。今回は、その中で大根を洗って干す作業を農業体験イベントとした。しかし、当日は神奈川県で雪予報。たくあんづくりにおいて、大根を干している段階で凍ってしまうと味が悪くなってしまう。そのため、前日にクリスマスリース作りに変更した。3人いた参加者は1人まで減ってしまった。しかしながら、イベントとしては無事終了し、私たちもクリスマスリース作りに没頭した。

現在の私とその見解

私たちは企画を立案してお客様にサービスを提供する生産者側のつもりであった。

しかし、当日はリース作りをお客様と共に体験し、楽しんだ。極め付きは、お客様に参加費1000円をいただいて、それと同等のサービスを、我々が無償で体験するという具合だ。果たしてこれは生産であろうか。私は違うと考える。そこで一つのキーワードが思い浮かんだ。「生産を手伝う人」である。悪く言えば「生産者になりたいけどなりけれない人」である。今回我々は、イベントの企画・運営において、生産者ではなく、「生産を手伝う人」になっていた。「生産を手伝う人」は、生産寄りの消費をしていると考える。

私達は、どうすれば消費から生産へ移り変わることができるのか

今回行ったクリスマスリース作りは、イベント当日に初めて体験した。当日にお客様と共に初めて体験することを、我々がお客様に教えられるわけがない。アドバイスすらできない。これは、私たちが出来ないことをイベントにしてしまったことが原因である。できないことをイベントにしてもいいが、最低限事前にお客様にアドバイスできる状態にしておく必要がある。今回は、これらができていなかったため「生産を手伝う人」になってしまった。イベントは、お客様に「行きたい」と思っていただける内容でないと成立しない。そして私たちが出来ることをイベントにする必要がある。そう考えた時、クリスマスリース作りのイベントの一場面を思い出した。それは、Facebookにある動画を自分のカメラロールに収めたいと、イベントを手伝ってくださった方が我々に質問した場面であった。スマホをうまく使いこなせていない方が、スマホを日常的に最大限活用している若者に質問するという日常よく目にする場面である。私もよく祖父母に教えることがある。しかしこれこそが、「分からない操作を知りたい」と言う私の祖父母をはじめとする、ある一定層のニーズであり、スマホの基本的な動作やちょっとした裏技などはまさに、我々が「できること」であり教えられることなのである。私たちが出来ることでお客様のニーズを満たしていく。これが、消費から生産へ移り変わる第一歩だと考える。

本当の生産者になるために必要な評価と要求

生産は、苦しいもの。生産は、楽しいもの。この二つの間には明確な差がある。私は、この二つの差が現段階では、評価と要求によってもたらされると考える。私は今回、イベントの写真撮影と動画制作を担当した。その中で、私が切り取った写真と撮影した動画で1分間のリフレクションムービーを制作した。携帯で簡素な動画ではあるが、製作した。それを、NPO法人結の樹よってけしの公式Instagramのストーリーに投稿していただいた。この私の活動は、生産に思え、今回のイベントの中での成果物となった。私の中で今回の生産は楽しいものであった。それはなぜか。自分の思うままに制作し、成果物として完成させられたからである。しかし、これは本当の意味で生産だろうか。私はそこに疑問を抱いた。仮に、よってけしの方から評価を受け、お客様に焦点を当てて、次回につながるような映像に修正してほしい。と言う要求を受けていたとしたら、私の映像制作は苦しいものとなったと考えられる。映像制作は私にとって楽しいものだ。しかし、そこに評価と要求が加わり、それを満たすべく仕事をしなくてはなない責任が生まれるのだ。このことから、本当の意味での生産は、成果物を何らかの形で評価され、要求を受け、評価基準を満たすことであると考えた。もちろん成果物が最初から評価基準をクリアすることもあるだろう。しかし、今回の私の場合ではそもそもの評価基準が存在しなかったのである。

まとめ

イベントを作っている気で実は本質的に作れていない。こういったことは、よくあると考える。消費をするのに慣れてしまった私たちは、少し大変な生産から無意識に逃げているのかもしれない。だからこそ、今この大学生と言う比較的自由な立ち回りで、経験を積むべきだと考える。生産寄りの消費で作り上げたイベントと、完全に自らが生産者となって作り上げたイベントでは、得るものが全く違うと思う。生産側の人口は少ない。私は、このゼミ活動を通して、消費側の人間から生産側の人間に変わりたいと思っている。今、私が、消費と生産について考えたことは記した。これから、様々な活動を通して、自分の消費と生産に対する考え方がどう変化するのか。楽しみである。

執筆:橋本ゼミ8期生 望月宏武

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この記事を書いた人
橋本ゼミ生

産業能率大学情報マネジメント学部橋本ゼミに所属するゼミ生です。

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