去年は良かったのに、今年はなぜうまくいかない? ゼミ運営で感じること

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 ゼミの運営をしていると、毎年の違いに驚きます。ある年、苦労したことが、別の年では難なくできたりします。逆もあります。

 特別なことはなく、毎年メンバーが変わるのです。

 しかし、もう少し要因を考えてみると、不思議に思うことがあります。

 ある年、Aという学生が活躍してくれました。別の年、Aと同じような学生がいたからといって同じように活躍できるとは限らないのです。

 では、上手くいった年に何があったかを振り返ってみると、一見活躍しているように見えなかったBという学生がいたからだったのかなと思います。Bが効いていたということです。

 ゼミという組織では、1年で半分のメンバーが入れ替わります。その中で良くも悪くも培われる組織文化のようなものもありそうです。しかし、それ以上にメンバーの相互作用が大事だなと感じます。

 どのメンバーも組織の一員であり、全体の雰囲気を作っている当事者だということでもあります。それは、良くも悪くもです。
 自分は、組織で役に立っていないなと思ったりしていても、意味があったりするものです。逆に、自分は頑張っているのに、あいつはダメだとか思っていたりしても、悪いのは自分かもしれません。

 昨今、働き方改革とか生産性向上という話題が出ています。ゼミと企業とは違うとは思いますが、メンバー同士の相互作用があまり考慮されていないのではと思います。役に立たない人は排除しようという動きも感じます。優秀だといわれる人を集めれば、組織は効率的になる。そんな単純な話ではないでしょう。それは、結果として生産性向上にはつながらないだろうなと感じます。

 PS:Bという学生が、卒業後も同じように良い味をだせるかというと、違います。AにBが必要だったように、BにはAが必要ですし、そこには見えないCという存在も必要だったりします。
 教育機関としては、Bには選んだ進路の先で活躍できるような指導が必要だと思います。個別具体的な話になり、いつも頭を悩ませています。

 
ある日の横浜。人工物と自然。高層ビルとお寺等、入り混じっています。魅力的です。

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この記事を書いた人

産業能率大学情報マネジメント学部 准教授 橋本諭(はしもと さとし)。
研究テーマは、ソーシャルビジネス、人材育成を扱っています。

橋本 諭

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