橋本ゼミでは、毎年の学祭において学習志向の体験型ゲームを開発、実践しています。今年は5年目になります。
過去には、以下のような内容を実施してきました。
2012年 ジグソーメソッドという手法を用いた体験型ゲーム「別れの教室」
2013年 ARを使った回遊型ゲームみらい郵便
2014年 「クリエイティブコンフィデンス」を楽しみながら学ぶ奪われたCC
2015年 新しいアイスブレイクためのカードゲームILIOS
目次
経験を引き継ぐこと
私たちの体験型ゲームは、1回1時間程度で実施しています。1時間の舞台を参加者の方々と一緒に作り上げるようなイメージです。昨年は、カードゲームを作成しましたので、ゼミ生の実体験として体験型ゲームのノウハウが蓄積されていない状況でした。
そこで、過去の体験型ゲームを実施することで、ゼミとしてどんな事を行ってきたのか? また、体験型ゲームとはどんなものなのかを再確認すべく、初年度に行った別れの教室を「完コピ」することにしました。
スライドや謎自身も当時のものを使いました。
別れの教室2016
橋本研究室さんの投稿 2016年10月13日
当時は完全に普及したわけではなかったことから難しかったスマートフォンを使った謎が、今では当たり前のため難しくもなんともなくなったりと、時間が経ったことを感じる部分もありました。一方、ゲームとしては、今でも成立することを実感でき、そして何が必要なことなのかが分かりました。
得られた教訓
例えば、こんな事が教訓として得られました。
- 公演が始まってしまうと、イレギュラーには対処はできないので準備がすべて
- 参加者(お客さん)にどのように介入するかがコツであり難しい (ヒントを出したつもりが混乱させたり、あるいは「答え」になってしまったり)
- なぜ、関係ない謎を解かなければならないのか? という疑問が生じた
⇒ストーリーと関係ない謎を解くのは、ゲームとしてレベルが低いのではないか。ストーリーにどのように埋め込んでいくのかが重要。
モノが残っているからこそ、実施ができる
今回、過去の作品をコピーすることができたのは、そもそもその「モノ」が残っていたからでした。また、自分たち以外の人が実施することを想定したマニュアルが作成してあったからこそ、同じ時期を共有していないメンバーがノウハウを継承することができました。過去の先輩たちの「価値ある遺産」であると同時に、今後作成するものにおいても、この「一手間」が重要だということです。
ゲーム開始時に、机に置くのは「○○.docx」と「△△.docx」。不測の事態のために、余分を司会者が持っているようにする
このような文章は、その場を共有している人であればいらないでしょう。一方、このマニュアルがあるからこそ「別れの教室2016」が実現できたのです。マニュアルという一見無味乾燥な文章の中に、後輩への想いを感じました。