「やり方がわからない」と言う前に、まずはとにかく「やってみる」こと インターネット時代の学び方

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 4月になり、新社会人、新大学生、新しい学年にといった具合に、新たな一歩を踏み出している人がいる事でしょう。新たなスタートおめでとうございます。

 さて、新しい仕事、新しいチャレンジにあたって、よくある質問に「○○をやりたいんだけど、やり方がわからない」というものがあります。そして、「やりたいんだけど、やり方がわからないからできません」とか、「○○について勉強してみたいと思っているのですが、なかなか・・・」という風につながります。

 例えば、私は活動の一環として、動画を作成していますが、「動画作りたいんですけど、やり方がわからない」と言われる事があります。そういった時に私が言うのは、ひと言です。

「とにかく、作ってみなよ」

これだけ。終了です。

 職務放棄かと思われるかも知れませんが、今ソフトもほとんど無料でありますし、簡単な使い方を知らない訳ではないんですよね。そして、クオリティ低くても動画を作って来た人には、具体的なアドバイスもできますし、もっと学ぶための学習資源も紹介します。

 重要だと思う事は、本人に「質問」が見つかることです。まず、作ってみると、具体的な形での「質問」が大抵出てきます。その質問事項をまずはGoogleで検索してみる。質問サイトもありますね。ここまでなら、質問を思いついた後5分あればできます。解決したとすれば、それだけ成長しています。

 それでもわからなければ「誰か」に聞く。特に、その道のプロに聞く事が出来れば、最高です。誰がプロかわからない? それも最近であれば検索すれば出てきます。超一流ではないかも知れませんが、聞く相手は案外近くにいたりします。学校とか、上司とか。

 私の場合にも、ある特定のソフトの使い方がわからない時などは、ちょくちょく検索しています。その時、どんな用語で検索するのかが一つのノウハウだったりしますが、それは「作ってみなければ」、わからないのです。そして、作成し、見てもらい、コメント(フィードバック)をもらう事により、「達人です」とは口が割けても言えませんが、「かじっています」ということはできるかなと思っています。また、同分野の先達に会いに行き、直接質問をさせてもらったこともあります。

インターネット時代の学び方

 最近、といっても既に10年〜15年位の歴史があるのですが、インターネットの力によって「学習環境」は大きく変わったと思います。既に10年前になりますが、将棋の羽生善治さんは、「学習の高速道路」が整備されたと述べています。将棋などの世界では、これまで奨励会に所属して、そこで腕を磨いて、プロになるというルートがありました。今も、そのルートはもちろんある訳ですが、それ以外にインターネット上での将棋の対戦や、データの収集によって、劇的に成長する人が出てきている。それを、高速道路と表しています。

 つまり、インターネット空間にある「学習資源」とICTによるコミュニケーションという「フィードバック手段」により、インターネットは学習空間として既に結果を残している訳です。従来の環境との大きな特徴は、オープンに誰にでも開かれていること、そして、なにより「早い」事だと思います。成長に必要な要素がどんどんと引き出されることにより、これまでよりも早く高速道路を走るように成長する訳です。将棋の世界だけではありません。たとえば、素人だった人が曲を作り続けて、プロの作曲家になった事例などは、その出来を聞いてもらえればわかると思いますが、まさにインターネット的な成長、成長速度だと思います。

 私個人としては、インターネットによる学習空間は、インターネットの最大の果実であると思っています。

 さて、こういった環境が整備された時、メリットを享受するのは常に「自ら学ぶ人」です。逆に「自ら学ばない人には、大した変化はない(マイナスになる事も現時点ではないでしょう)」という事でもある訳です。それ故に、具体的なアドバイスとしては、「まずは、やってごらん」になるのです。

 ネットにある学習資源を使うというライトな学習もあれば、掲示板やSNSでのコミュニケーション、youtubeなどの動画サイトに作品をアップし、不特定多数からのフィードバックをうけるといったハードな学習も、この一歩を踏み出すことがすべてのスタートになります。さあ、まずは「やってみましょう」。高速道路が整備され、さらに誰でも乗ることができるようになった今、「やろうと思っている(けど、まだやっていない)」の価値は、既に0になってしまっています。

 なお、羽生善治さんは以下のように語っています。私は、ここにインターネット後時代の成長に関する大きな課題を提示されているものだと捉えています。

「確かにそのレベルまでは一気に強くなれるのだが、そこまで到達した者たち同士の競争となると、勝ったり負けたりの状態になってしまい、そこから抜け出るのは難しい。一方、後ろからも高速道路を駆け抜けてくる連中が皆どんどん追いついてくるから、自然と大渋滞が起きる。最も効率のよい勉強の仕方、しかし同質の勉強の仕方で、皆が、高速道路をひた走ってくる。結果として、その一群は、確かに一つ前の世代の並のプロは追い抜いてしまう勢いなのだが、そうやって皆で到達したところで直面する大渋滞を抜け出すには、どうも全く別の要素が必要なようである」インターネットの普及がもたらした学習の高速道路と大渋滞:梅田望夫・英語で読むITトレンド – CNET Japan

 PS:2015年4月1日付けで、産業能率大学情報マネジメント学部 准教授を拝命いたしました。若輩者でございます。今後とも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

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この記事を書いた人
橋本 諭

産業能率大学情報マネジメント学部 准教授 橋本諭(はしもと さとし)。
研究テーマは、ソーシャルビジネス、人材育成を扱っています。

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