新しいワークショップの開発 ”面接「笑」の実践”

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昨日は、ある企業さんにご協力を頂きまして、ゼミで開発している”面接「笑」(めんせつワークショップと読みます)”の実践を行ってきました。
この面接「笑」というのは、面接という特殊な環境を舞台として、学生と社会人、社会人同士、初対面の人同士といった関係の人たちが対話するワークショップです。特に、ポジティブ心理学(的な)要素を念頭に置いた活動を行います。

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作成意図

ゼミ生達には、前期のうちに数あるプロジェクトのうちの一つとして取り組んでもらいました。初めは、「学生として社会人ともっとフラットな関係で話ができるようなワークショップを開発したいね」というような漠とした話から始まりました。

今の大学生達は、「社会人」に対して強い憧れや尊敬心を持っているように思います。いや、もっと言えば、絶対視しているようなものを感じます。それは、いわゆる「就活」というハードルを越えた人たちや、既に何らかの自己実現をして働いている人たちという一種の幻想なのかも知れません。故に、「○○社の社員の人が話をしてくれる」とか、「△△社の内定者から□□をした方が良いと行っていた」、「××社の人と名刺交換した」と、ドヤ顔で語る姿をよく見かけます。

それ自体が「悪い」というつもりは全くありませんが、その一方で「社会人」も悩んでいるし、当然完璧なんかではないという事も事実だと思います。ですから、もう少しフラットな関係で話ができるようになると、実はお互い得るものがあるのではないかと思いました。学生側には、現実の働くということだったり、社会人側には忘れていた気持ちを取り戻すと言ったようなものです。しかしながら、このフラットな関係というのが案外難しいのです。

学生(職業経験のない)と社会人という関係で言えば、社会人側には「社会人」として振る舞う事を暗に求められてしまいます。上下の関係ができあがり、学生に対しては、「少しはためになったと思ってもらわなければ」とか、「この人カッコいいな、尊敬できるなと思ってもらいたい」というような圧力がかかるのではないかと思います。また、学生側も「すごいですね」とキラキラした目で見つめたりするモノですから、そういった圧力は増幅されたりします。それですから、ただ単に社会人と学生が話をするという機会を作ると、社会人側は「社会人」として振る舞ってしまうのだと思います。

そこで、WSを使った仕掛けを考えました。もちろん、学生と社会人と言った場合、経験値の差があります。また、通常年齢の差もあります。ですから、完全にフラットという事は難しいです。それでも、互いの会話がよりフラットな関係に近づけるように「WSのルールとしての制約」を設けています。

何時間もの打ち合わせよりも1回の実践

ゼミ生達は、前期から夏休み期間中も定期的に集まり、色々と議論を積み重ねてきたようです。初めは中々まとまらなかったようですが、段々と形になっていきました。2週前には、ゼミ合宿においてゼミ生のみでのテストを行い、そして昨日ある企業さんにご協力いただきテストを行いました。

テスト自体は、諸々問題が発生しましたが、無事終える事ができました。
ゼミ生からは、「何時間もの打ち合わせよりも1回の実践」の方が得るものが多い、といった言葉が出てきました。確かに、その通りです。しかし、打ち合わせをしてきているからこそ、実践から得られるものがあるのだと思います。大切な1回の実践を活かす姿勢は大切なことでしょう。

感想

参加者の方からは、概ね良い評価を頂きました。その上で、改善点も指摘してもらいました。感想の中には、「単純に面白かった」、「思った以上に対話をする事ができた」、「案外、頭を使ったという印象」といった評価や、「仕事上の○○という部分にも活かせるのではないか」という今後の展開についてもお話頂きました。

このご意見等を踏まえ、ブラッシュアップをしていってくれることでしょう。

実践先募集

さて、今回WSの具体的な中身については紹介してきませんでした。こちらは、もう少し内容を詰めてから発表していきたいと思います。そのためには、もう少しテストをしなければなりません。もし、こちらのブログを読んでくださっている方の中で、この”面接「笑」”というよくわからないWSをやってみたいという方がいらっしゃいましたらご連絡いただけると幸いです。詳しいご説明をさせていただきます。

「神は細部に宿る」
これは、もちろんWSでも同様でしょう。シンプルな設定でありながら、細かい所までよく考えられているようなものが作成できればと思います。

なお、11月にある学園祭において、お披露目ができるでしょうか? その辺りは学生次第ということです。

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この記事を書いた人

産業能率大学情報マネジメント学部 准教授 橋本諭(はしもと さとし)。
研究テーマは、ソーシャルビジネス、人材育成を扱っています。

橋本 諭

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