産業能率大学大学院OBOG会「イブニングダイアローグ」に参加しました。

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 去る7月5日、本学産業能率大学大学院の卒業生が企画、運営するOBOG会「イブニングダイアローグ」に参加し、ドキュメンテーションとリフレクションムービー作りを行いました。  発起人の岸さんや同僚の吉岡先生に紹介していただき、貴重な場に学生と共に参加できまして大変感謝しております。

さて、ここでは2つほど雑感を述べたいと思います。

学びの「ホーム」とは

 この会は、大学院のOBOG会ではありますが、ただ単純に集まって飲み食いするという場ではありません。スピーカーが決まっており、トークやら、ワークショップやらがちりばめられた「学びの場」です。本年3月からスタートして、今回が2回目という事ですが、単純な懇親の場ではないというところが特徴的かと思います。

 今回の場作りに関しては、発起人岸さんプロデュースです。参加してみて、また撮影を行ってみて感じたのは、その「暖かさ」です(実際にはボクは例によって1枚も撮っていませんが)。OBOG会といえど、この会は「学びの場」ですから、学びが促進されるような環境が必要です。一方で、あまりにカチカチっとしていれば、居心地の良いものではないでしょう。会場は本学の代官山キャンパスですから、OBOGにとっては懐かしの学舎です。その場において絶妙な所が演出されていたように思います。
 http://instagram.com/p/MsbdooubAA/http://instagram.com/p/MsbdooubAA/

 たとえば、各テーブルの上には間接照明が置かれていて、会場全体は比較的暗くなっていました。蛍光灯の明かりとは違った雰囲気が出ていて、「語りやすい」状況になっていたのではないかと思います。また、入り口ではアロマがたかれ、入室した瞬間に「違う場所」に来た感を演出していました。これは率直に「パクろう」と心に決めました。

 さて、会場の演出や、参加者を含めた全体の雰囲気をひと言で表すと、「ホーム」としても印象を持ちました。極めて狭い範囲内ですが、我々の周りでは「学びのサードプレイス」といった事が言われています。サードプレイスですから、ホームや職場以外の学びの場という事でしょうか(雑ぱくな理解で怒られそうですが)。サードプレイスはとても大事な事です。しかし、「ホーム」というものの重要性はやはり代えがたいモノがあるわけです。

 「あなたには、帰る場所がありますか?」

 学びにおけるホームとは、つまりこういう事だと思います。

 そこでは、外でどんなに虚勢を張っていたとしてもリラックスすることができ、また疲れた体を癒やす事ができ、そして気兼ねなく語る事ができる場なのだと思います。私見ですが、それは次のような時に大きな意味を持つのだと思います。

 大人が学ぶ時には、何らかの「まなびほぐし(unlearn)」を要求されます。過去持っていたモノや、自分自身の強みにしていたモノを捨てなければならない時があるという事です。では、それを「やれ」と言われてできるでしょうか? まなびほぐす時というのは、ある意味で「脱皮」のようなモノです。脱皮する際は皮膚が「弱い」ですから、ある程度安全地帯が必要なのではないかと考えます。その時、安全地帯だと言える場所があるという事はとても大事な事ですし、それがホームにあると言うことは大きな意味を持つと思います。

 「お帰りなさい」で始まる学びというモノも、ありなのではないかなと思いました。

リフレクションムービーで何を撮るか

 今回はリフレクションムービー作りを行っています。上記のような場において何を撮ろうか、かなり考えました。結果的には、その場の雰囲気をいかに切り取るかという事に注力しました。

 学生に指示を出したのは、次の2点です。

 「あなたが感じた学びの瞬間を撮って下さい」
 「笑顔、真顔、○○顔を撮ってください」

 一つ目はいつもの通りです。学びの瞬間を切り取る事がボクが目指すリフレクションムービーです。人が学んでいる瞬間、それに集中すれば集中するほど自分の事は見えなくなっているはずです。また、他人の学びの瞬間も場に入り込んでいれば入り込んでいるほど分からないのです。その瞬間を切り取って、示す事で、何らかの変化が起きるのではないかと考えています(実際に効果があるのかどうかというのは、しっかりとした研究が必要だと思います)。

もう一点は、この場が「ホーム」であればこそ様々な顔が取れるのではないかと考えました。

職場にて、屈託ない笑顔を見せる事はあるでしょうか。また、(本当に)真剣な顔をして人の話を聞くことはあるでしょうか。一方、気を抜いた表情を許してくれるでしょうか。
 
 特に、一生懸命頑張った事を語った時に、それを許してくれる場所は案外多くないはずです。まあ、だからこそ夜のお店が繁盛するのではないかと、ボクは考えていますが、言うならば、ドヤ顔で語る事を許してくれる場所です。本気で頑張った人に、「頑張ったんですね」と迎える場があっても良いのではないでしょうか。それを行うのも「ホーム」かと思います。

 大人になればなるほど、上記のような感情が含まれた表情をしなくなっているのではないかと思います。もし、「ホーム」であるならば、こういった表情が撮れるのではないかと思ったのです。その意味で「表情」に注力をしています。撮れているかどうかは、是非ムービーをご覧になって判断いただければと思います。なお、重ね重ねですが、撮影をしているのは本学の学生です。撮れているとすれば、学生の力です。撮れていないとすればディレクターが悪かったからです。
 
 公開を許可いただきした(公開するようにご依頼いただいた)参加者のみなさまに再度感謝いたします。
 最後に、改めてこのような場に参加させていただきまして、大変感謝しております。ありがとうございました。
 


 産業能率大学大学院OBOG会 2012年7月5日@代官山キャンパス

 twitterまとめ
 真剣な顔、笑顔、どや顔  イブニングダイアローグが終わった。

 本ブログ内では「ホーム」という記述をしています。こちらについては、法政大学の長岡先生が行われている「カフェゼミ」という実践について、長岡ゼミのゼミ生の中江真子さんが、2012年6月1日に私たちにとって毎週、木曜日の午後は「ホーム」であるということだ。 という形で使われています。『カフェゼミ』に行くために、カフェゼミに行く。http://www.tnlab.net/melcblog/2012/06/120601.htmlこの中では、ゼミ活動を越境先である「away」に対して「ホーム」という位置づけで使われています。

 同じような学びの場において、「ホーム」というメタファーで語られている訳です。これはとても興味深いです。
 
 今回の経験を通じてみて、では一体「ホーム」とは何だろう? というそもそもの疑問も湧いてきています。中江さんは、「away」に対する「ホーム」という対比で使っていらっしゃいます。この表現はしっくりきます。一方で、この場において私はそういった対比を想定していた訳ではありません。前述の通り、本会を表す言葉を探した時に参加者、場の雰囲気などを総合して「ホーム」が適しているかなと感じた訳です。どちらかと言えば、まさに「母校」であるとか「実家」とかの方が近いのかなと感じました。「ホーム」難しいです。

 ここからは妄想に近い部分ですが、もしかしたら「ホーム」って人によりとらえ方が違うモノかも知れません。暖かみを感じる「ホーム」もあるでしょうし、もしかするとそこには、逃げ出すべき対象としての「ホーム」もあるかも知れません。仮にそうだとすれば、「ホームを作りたい」といった時には、ズレを想定しておく必要があるという事になります。ある人にとってのホームを作ったら、別の人には「ホームではない」という事になる可能性がある訳です。

 いずれにしても、中江さんが捉えた「ホーム」について、伺ってみたいなと思いました。また、あなたにとっての「学びのホーム」って何ですか? また、「学びのホーム」はありますか? ってことを色々な人に伺ってみたいです。

 PS:様々な方からリフレクションムービーをつくって欲しいという依頼を頂いています。大変ありがたい事です。全てのご依頼を受けられる訳ではありませんが、可能な限りやらせていただきたいと思います。なお、その際には必ず「学生参加」を許可いただいております。私のムービーの強みを恥ずかしながら挙げるとすれば、「学生が撮影すること」にあると思っています。その点、ご理解いただければ幸いです。また、撮影する対象も「学びの場」に限っております。正直、映像としてのクオリティで勝負できるとは思っておりません。その点もご了承いただきたく存じます。

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この記事を書いた人
橋本 諭

産業能率大学情報マネジメント学部 准教授 橋本諭(はしもと さとし)。
研究テーマは、ソーシャルビジネス、人材育成を扱っています。

橋本 諭
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