キャリアとか、就職とかの雑感

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 現状、教育機関においてキャリア教育が求められています。たとえば、こちらは、小中高向けのものですが、研修用のビデオなどが出ています。

 キャリア教育自体は、何らかの形で必要なのだと思います。知らない事を判断する事はできないので、どんな仕事を選択するのかという時に、その事を理解している必要はあるのだと思います。

 一方、少し考えてしまうことがあります。

 学校→仕事(会社)という接続を考えた時に、現状では、仕事(会社)側のニーズをとらえて、学校の教育内容を変えようという論調が目立ちます。以前は、次のような指摘がよくなされていました。

 「大学は、教員が教えたいことを教えているだけで、企業側のニーズを把握していない」というものです。

 たしかに、以前の(今もかも知れませんが)大学では、各専門学問分野を持った先生が自分の専門学問を教えていたという形でした。それは、ある層の学生には必要なことでありとても価値のあるものだが、それ以外の層にはほぼ無意味だという指摘です。言うまでもなく、ある層とは研究者を目指す層の事で、それ以外の層というのが就職をする層という事です。

 この議論自体の是非はさておき、こういう指摘が行われていた事は確かです。なお、それを受け、現在では大学の授業は変わってきているのだと思います。様々な実践例を見聞きすると、企業側のニーズをとらえようとしている姿勢が伝わってきます(とらえられているかはわかりません)。

 ニーズをとらえていくことは重要な事でしょう。しかし、何か違和感を感じる部分があります。それは、ニーズを探ると言いながら、何か企業側に過度に迎合してしまうような気がしているのです。

 「こういったものが欲しいです」 「はい、わかりました」
 
 というのは、本当にニーズをとらえたことにはならないと思うのです。それは、就職にもつながり、いずれの日にか「どうか、学生を雇ってもらえませんか」という話になって行くような気がするのです。

 たとえるならば、融資先を増やしたい銀行員が、手当たり次第に「借りてくれ、借りてくれ」と言いまくっているようにならないかと思うのです。それは、完全に罠です。「借りてくれ」と言ってしまったら、絶対に信用されません。

 むしろ、優秀な銀行員は、融資先を作ることや、融資先を育てることをしていると言います。そして、優秀な銀行員は、経営者は信用され、結果的に融資も多く取れると言います。

 就職というのも同様に、借り手を育てる(就職先の成長を支援する)という視点が必要なのかなと思います。そのためには、労働需要を作り出すための「何か」をしていかなければならないのではないかと思っています。そこには、学生と一緒に何かをおこない、実際に結果を残すというような、目に見える成果が求められるようになるのではないかと思います。

 完全に雑感であり、「じゃあ、おまえは何ができるのよ?」と言われると、いささか苦しい所ですが、こういった視点を持ってやっていきたいと思っております。

 

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この記事を書いた人
橋本 諭

産業能率大学情報マネジメント学部 准教授 橋本諭(はしもと さとし)。
研究テーマは、ソーシャルビジネス、人材育成を扱っています。

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