お金に想いを込めて地域に循環させる仕組みはどう作る? 木村真樹著「はじめよう、お金の地産地消」

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昨日は、横浜のmass*mass関内フィーチャーセンターさんで、「はじめよう、お金の地産地消」を執筆された木村真樹さんの出版記念イベントに参加してきました。実際に、NPOバンク、コミュニティ財団を運営されてきた木村さんのお話は大変勉強になりました。木村さん、mass*massの皆さんありがとうございました。

本書は、「お金の地産地消」ということで、NPOやソーシャルビジネスに向けた地域金融
を進めてこられた愛知のコミュニティ・ユースバンクmomo公益財団法人あいちコミュニティ財団で取り組んでこられたノウハウが詰まった一冊です。

地域の金融機関としては、地方銀行や信用金庫、信用組合等既にある訳ですが、実はそれほど地域にお金が流れている訳ではありません。融資の規模が合わないなどの理由がある訳ですが、木村さんは、様々な仕組みを用意することで、これまで融資が受けられなかったNPOやソーシャルビジネスに融資を行い、組織基盤を強化することを通じて、地域金融機関から融資を受けられるように応援をしていく取組を行っています。

金融機関が融資できなかった組織に融資する訳ですから、当然リスクがある先と言えそうですが、これまで融資してきて貸し倒れ(返済できなくなったこと)は0ということです。ただし、そこには、様々なノウハウが詰まっています。融資するだけではなく、その後若いボランティアを中心に寄り添っていくことにより、実現しています。本書を読んでいて、またお話を伺っていて、一つ一つは細かいノウハウの積み重ねですが、その積み重ねと「なぜそれを行うのか」の理由が全て経験に基づいていることにより、なるほどと唸る内容になっています。

たとえば、本書では、お金を「資金」ではなく「志金」と表現されています。志金とは「地域のために何かしたいという思いのこもったお金」という意味で、この志金をどう地域のために役立てていくのかが、木村さんが取り組んでこられたことだといえます。

企業経営において、お金は重要です。ですが、お金だけではダメでそれ以外のサポートも必要不可欠です。同じように、NPOやソーシャルビジネスにもお金が必要ですし、それ以外のサポートも必要なのだと改めて感じました。そして、既存の仕組みでできない所を数々の工夫を積み重ねることで解決できるし、こうやって「ソーシャルイノベーション」を起こしていくのだなと、お話を伺いながら感じました。

後期が始まり、バタバタと過ぎて行っていましたが、改めて頑張ろうと勇気をもらえた気がしています。
今週もあと少し、頑張りましょう!!

amazon はじめよう、お金の地産地消――地域の課題を「お金と人のエコシステム」で解決する
木村さんを紹介した記事「「非営利の金融機関・NPOバンクとは?」コミュニティ・ユース・バンクmomo代表理事・木村真樹さんインタビュー(1)

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この記事を書いた人

産業能率大学情報マネジメント学部 准教授 橋本諭(はしもと さとし)。
研究テーマは、ソーシャルビジネス、人材育成を扱っています。

橋本 諭

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